“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「日本列島はすごい」(伊藤 孝著/中央公論新社)

2024-05-21 09:35:16 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:日本列島はすごい~水・森林・黄金を生んだ大地~

著者:伊藤 孝

発行:中央公論新社(中公新書)

 1万4千の島々が連なる日本列島は、ユーラシア大陸の東縁でその土台ができ、やがて分離。3万8千年前に人類が上陸し、歴史を紡いできた。変化に富んだ気候が豊かな資源を生み、国土を潤す。同書は、時空を超えて島国の成り立ちと形を一望し、水、火、塩、森、鉄、黄金が織りなした日本列島史を読み直す。天災から命を守り、資源を活かす暮らしとは。地学教育の第一人者が、列島で生きる醍醐味をやさしく解説する。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「クラウドデータレイク」(Rukmani Gopalan著/オライリージャパン)

2024-05-21 09:34:43 |    情報工学



<新刊情報>



書名:クラウドデータレイク~無限の可能性があるデータを無駄なく活かすアーキテクチャ設計ガイド~

著者:Rukmani Gopalan

監訳:丸本健二郎

訳者:長尾高弘

発行:オライリージャパン

発売:オーム社

 大量のデータを効率的に管理し、ビッグデータ分析、機械学習、AIなどの高度なデータ分析を実現するためのデータ基盤として、クラウドデータレイクが注目されている。スケーラビリティと多様なデータ管理機能を兼ね備えたクラウドデータレイクは、現代のデータ分析ニーズにマッチする技術として、データの重要性が増す昨今、多くの企業の関心を集めている。同書は、クラウドデータレイクのセットアップ、管理、ガバナンスについて、包括的に解説した実践的なガイド。設計におけるポイントやベストプラクティス、データフォーマットとパフォーマンスの最適化、コスト管理、セキュリティなど、クラウドデータレイクの構築方法を、架空の組織をモデルにわかりやすく解説。クラウドデータレイクの構築とデータアーキテクチャの実践的なノウハウをコンパクトにまとめた1冊。
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●科学技術ニュース●IMS、筑波大学と茨城県立中央病院、嗅覚センサと機械学習により呼気から肺がんの有無を予測

2024-05-21 09:34:15 |    生物・医学
 物質・材料研究機構N(IMS)と筑波大学、および茨城県立中央病院からなる研究チームは、嗅覚センサと機械学習を組み合わせることで、肺がん患者さんの術前と術後の呼気を高い精度で識別できる可能性を実証した。

 この呼気がん診断法は、簡便かつほとんど体に負担をかけない方法で実施できるため、将来的にがんの早期発見と早期治療に貢献する技術となることが期待される。

 これまでの肺がんのスクリーニング方法では、低線量コンピューター断層撮影 (CT) スキャンが主流であったが、放射線被曝のリスクや偽陽性、高いコストなどの問題があった。

 そのため、より安全で経済的かつ簡便な新しいスクリーニング方法の開発が求められていた。

 同研究では、NIMSで開発された膜型表面応力センサ (Membrane-type Surface stress Sensor, MSS。超高感度・小型・化学的多様性を有する嗅覚センサ) と機械学習を組み合わせて、手術前後の患者さんの呼気を分析し、肺がんの有無を予測する機械学習モデルを構築した。

 その結果、80%を超える精度で肺がんの有無を検知可能であることが確認された。

 これまでの研究と比較して特筆すべき点として、手術前後の呼気を用いることで個人差を抑制して得られた結果である点と、同研究チームによって確立された再現性の高い測定・解析方法を用いた点が挙げられる。

 今後はこの研究成果を基に、各種のガス分析装置を用いた実験と組み合わせて、肺がんの存在を示す分子を特定するなど、より明確な科学的裏付けを確立して行くことを目指している。

 この技術は、将来的には肺がんに限らず様々ながん種に対応したスクリーニング方法として、がんの早期発見・治療に貢献する革新的医療技術となる可能性がある。

 同研究は、筑波大学附属病院呼吸器外科の佐伯祐典病院講師、同大医学医療系の巻直樹客員研究員、北澤伸祐講師、佐藤幸夫教授と、NIMS高分子・バイオ材料研究センターの根本尚大エンジニア、南皓輔主任研究員、今村岳主任研究員、吉川元起グループリーダー、マテリアル基盤研究センターの田村亮チームリーダー、および茨城県立中央病院の稲田勝重研究員、磯田愉紀子研究員、小島寛副院長によって、日本学術振興会 科学研究費助成事業および官民研究開発投資拡大プログラム の一環として行われた。<物質・材料研究機構N(IMS)
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●科学技術ニュース●スパコン「富岳」、「HPCG」および「Graph500」において9期連続の世界第1位を獲得

2024-05-21 09:33:43 |    情報工学
 理化学研究所(理研)と富士通が共同開発し、2020年4月に試行的利用を、また2021年3月に共用(本格稼働)を開始したスーパーコンピュータ「富岳」は、世界のスーパーコンピュータに関するランキングの「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」および「Graph500」において9期連続の世界第1位を獲得した。また、「TOP500」では第4位、「HPL-MxP」では第4位であった。

 「富岳」は、2020年4月の試行的利用を経て2021年3月に共用を開始して以来、ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくり、基礎科学、社会経済などの幅広い分野において、社会実装レベルで様々な成果を創出し続けている。

 富士通は、「富岳」を実現した優れたテクノロジーをもとに、高性能、省電力に加え、信頼性と使いやすさを実現するArmアーキテクチャのCPU「FUJITSU-MONAKA」の開発を進めている。

 また、同社も参画した共同研究において「富岳」で学習し公開した大規模言語モデル「Fugaku-LLM」は、日本語能力に優れ、独自のデータで学習した安全性・透明性を確保したモデルであり、次世代の革新的な研究およびビジネスでの利用が期待されている。

 同社は「Fugaku-LLM」を、同社の先端技術を無償で試せる「Fujitsu Research Portal」を通じて提供開始している。

 同社は今後も、「富岳」で培ってきた技術をさらに高度化するとともに、「富岳」の活用にも貢献していく。<富士通>
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