“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「天才の光と影」(高橋昌一郎著/PHP研究所)

2024-05-23 09:33:15 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:天才の光と影~ノーベル賞受賞者23人の狂気~

著者:高橋昌一郎

発行:PHP研究所

 才能とは何か? ビジネスパーソン必読の圧倒的教訓。ノーベル賞を獲得するほどの研究を成し遂げた「天才」は、素晴らしい人格者と思われがちだ。だが、歴代受賞者のなかにはヒトラーの写真を誇らしげに書斎に飾っていた「ナチス崇拝者」もいれば、妻と愛人と愛人の子どもと一緒に暮らした「一夫多妻主義者」もいる。光るアライグマ(エイリアン)と会話を交わした、という「薬物中毒者」や、「アルコール依存症」で売春街から大学に通った者、超越瞑想に「オカルト傾倒」して周囲を唖然とさせた者も。どんな天才も、輝かしい「光」に満ちた栄光と、背面の暗い「影」を併せ持っている。同書では、著者が独特の「狂気」を感得した受賞者23人を厳選。必ずしも幸福とは言い難い、天才たちの数奇な人生を辿る。【同書に登場するノーベル賞受賞者たち】フリッツ・ハーバー/フィリップ・レーナルト/ヨハネス・シュタルク/ニールス・ボーア/オットー・ハーン/ヴェルナー・ハイゼンベルク/マックス・フォン・ラウエ/アルベルト・アインシュタイン/エルヴィン・シュレーディンガー/ポール・ディラック/エンリコ・フェルミ/ヴォルフガング・パウリ/エガス・モニス/ライナス・ポーリング/ウィリアム・ショックレー/ジェームズ・ワトソン/リチャード・ファインマン/ニコラス・ティンバーゲン/ブライアン・ジョセフソン/キャリー・マリス/ジョン・ナッシュ/リュック・モンタニエ/ロジャー・ペンローズ
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「水素エネルギーが一番わかる」(白石 拓著/技術評論社)

2024-05-23 09:32:37 |    エネルギー



<新刊情報>



書名:水素エネルギーが一番わかる

著者:白石 拓 

発行:技術評論社(しくみ図解シリーズ)

 トヨタ自動車がガソリン車に代わる脱炭素素車として水素エンジン車を開発し、自動車レースに出場したことで、燃料としての水素が脚光を浴びた。水素が注目されるのは、カーボン・ニュートラルであることのみが要因ではない。水素エンジンは水素燃焼時に生じる水蒸気の爆発的な膨張力(運動エネルギー)で駆動する。また、燃焼の際に発生する熱エネルギーはボイラーや水素火力発電所で使用され、マツダはロータリーエンジンで水素を燃やして発電した電気で電気自動車を走らせている。さらに,イオンとして電気エネルギーを運ぶこともできる。燃料電池は水素イオンと酸素イオンを化合させて電気を発生させる「発電装置」であり、トヨタ自動車は燃料電池でつくった電気でモータを回して走る燃料電池車「MIRAI」を2020年にモデルチェンジした。このように,水素は単に燃焼時に二酸化炭素を排出しない「クリーン・エネルギー」として価値があるだけでなく,さまざまな形態のパワーを発出できるポテンシャルの高いエネルギー源。今後、核融合発電を含め,水素エネルギーの利用がますます広がっていくことが予想されている。同書はこうした状況を踏まえ、水素エネルギーの基礎的な知識をすべて網羅し、わかりやすくまとめた書籍。
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●科学技術ニュース●NIMS、北海道大学と明治薬科大学、発電するゲル「ゲル–エレクトレット」の創成に成功

2024-05-23 09:32:05 |    電気・電子工学
 物質・材料研究機構(NIMS)、北海道大学、および明治薬科大学からなる研究チームは、多くの静電荷を内部に安定的に保持できるゲル材料 (ゲル–エレクトレット) を開発した。

 このゲルを組み込んだ自由変形可能な電極は、人体の運動などで生じる低周波の振動を電圧シグナルとして出力するセンサ機能を示すことから、ウェアラブルヘルスケアなどへの応用が期待される。

 今回、同研究チームは、アルキル–π液体に微量の低分子ゲル化剤を加えることで貯蔵弾性率を4千万倍増加させ、固定化や封止が容易であるゲル (アルキル–πゲル) の創成に成功した。

 さらに、このゲルを帯電処理して得られたゲル–エレクトレットは、ゲル化によって内部に静電荷を閉じ込める効果が向上したために、母材 (液体) と比較して24%の帯電量の向上を達成した。

 また、ゲル–エレクトレットを組み込んだ柔軟な電極素子は、17 Hzの低周波振動に対し出力600 mV (液体素子より83%増大) の振動センサ機能を示した。

 今後、帯電特性 (帯電量、帯電寿命) とゲル強度をさらに高めて素子性能を向上させることで、微弱な振動や様々な歪み変形に追従可能なウェアラブルセンサとしての実用化を目指す。

 また、同ゲル材料は回収し、振動センサ素子への再利用も可能なことから、サーキュラーエコノミーに資する材料としても期待できる。
 
 同本研究は、NIMSナノアーキテクトニクス材料研究センター (MANA) フロンティア分子グループ 竪山瑛人研修生 (北海道大学-NIMS連携大学院) 、名倉和彦研究員、中西尚志グループリーダーと、明治薬科大学 山中正道教授らの研究チームによって行われた。<物質・材料研究機構(NIMS)>
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●科学技術ニュース●NTT-ATと台湾サイクラフト、AIセキュリティで協業契約を締結

2024-05-23 09:31:23 |    情報工学
 NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は、AI自動化技術の開発に注力し、台湾をけん引するAIセキュリティベンダーのサイクラフトの日本法人であるサイクラフトジャパンとの間で協業契約を締結した。

 サイクラフトが提供するAIを活用したセキュリティソリューションは、迅速なインシデント処理と効率的かつ体系的なセキュリティ体制管理を可能にし、セキュリティ規制や制約の多い台湾の政府系組織や金融・半導体産業を中心にトップクラスの導入率を誇る。

 今回の協業により、NTT-ATはサイクラフトの先進的な技術を活用し、日本のユーザーに対し新たなセキュリティサービスを生み出し、セキュリティ運用の効率化などの価値を提供する。

 近年、台湾の大手半導体企業の日本進出などにより、経済界・産業界にかかわる日本と台湾の結びつきがより一層強くなっており、台湾大手企業のサプライチェーンに日本企業が加わることで、日本の企業にもより強いセキュリティガバナンスが求められている。

 このような状況のなか、再クラフトが得意とする独自のAI技術を活かした、インシデントの調査・レポートやアラート処理の自動処理により、セキュリティエンジニアの作業が効率化されるとともに、地政学的なリスクについても台湾と日本は類似点が多いことから、台湾で養われたサイバー攻撃に関する脅威インテリジェンスは、日本のサイバーセキュリティ向上にも役立つ。<NTT>
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