“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「京大地理学者、なにを調べに辺境へ?」(水野一晴著/ベレ出版)

2024-05-09 10:11:47 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:京大地理学者、なにを調べに辺境へ?~世界の自然・文化の謎に迫る「実録・フィールドワーク」~

著者:水野一晴

発行:ベレ出版

 地理学者はいったいどんな研究をしているのか? そしてどんなことを明らかにしてきたのか。地理学の研究の要はフィールドワーク。同書は、これまで50ヵ国以上を訪れた地理学者の京大名誉教授が、調査・研究のために旅して得られた地理学的知見を、現地で遭遇した様々な体験を交えて語った「実録・フィールドワーク」。アフリカ・アンデス・絶海の孤島・ヒマラヤ地域などを訪れ、ふつうに暮らしていては体験できないフィールドワークの現場を描きつつ、自然・文化・社会の実態を明らかにしている。強盗に遭ったり、車が横転したりしながらも、好奇心のおもむくままに調査・研究に突き進んだ著者の悪戦苦闘のフィールドワーク冒険記。【著者】水野一晴 1958年名古屋生まれ。京都大学大学院文学研究科名誉教授。理学博士。東京都立大学大学院理学研究科地理学専攻博士課程修了。専門は自然地理学(植生地理学)。調査地域は、ケニア山、キリマンジャロ、ナミブ砂漠、アンデス、インド、ヒマラヤ地域であり、調査・研究で訪れた国は50ヵ国以上。著書に『自然のしくみがわかる地理学入門』『人間の営みがわかる地理学入門』(以上、ベレ出版)、「世界がわかる地理学入門」(ちくま新書)、『神秘の大地、アルナチャル」(昭和堂)などがある。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ゼロから作るDeep Learning⑤」(斎藤康毅著/オライリージャパン)

2024-05-09 10:11:02 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:ゼロから作るDeep Learning⑤~生成モデル編~

著者:斎藤康毅

発行:オライリージャパン

発売:オーム社

 人気シリーズの第5弾。今回のテーマは「生成モデル」。同書では「正規分布」から「拡散モデル」に至るまでの技術を繋がりのあるストーリーとして展開する。読者は小さな学びを積み重ねながら、ステップバイステップで実装し、最終的には「Stable Diffusion」のような画像生成AIを完成させる。技術の面白さは細部にある——ゼロから作る、数式に挑む。
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●科学技術ニュース●NEDO、「次世代船舶の開発」でアンモニア燃料船のGHG削減とアンモニア燃料の社会実装に向けた環境整備を目指す

2024-05-09 10:10:30 |    ★炭素ニュース★
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、グリーンイノベーション基金事業の一環として、海上輸送の脱炭素化に必要不可欠な水素やアンモニア、LNGなどを燃料とする次世代船舶の社会実装を目指す「次世代船舶の開発」プロジェクトを進めているが、このたび、同プロジェクトの研究開発項目の一つである「アンモニア燃料船の開発」について、新たに二つのテーマに着手する。

 同テーマでは、アンモニア燃料船の温室効果ガス(GHG)削減効果の向上とアンモニア燃料の社会実装に向けた環境整備を目的とした技術開発を行い、2030年以降のゼロエミッション船の普及をけん引していく。

 同プロジェクトでは、グリーン成長戦略の重点分野のうち「船舶産業」を支援対象としている。

 国際海運からは、年間約7億トンのCO2が排出されており、世界全体のCO2排出量の約2.1%を占めるといわれている(2018年時点)。

 水素やアンモニア、LNGなどを燃料とする次世代船舶の商業運航を実現させれば、海上輸送の脱炭素化に貢献できる。

 一方で、水素やアンモニアを燃料とするエンジンは技術的な課題が多く、世界的にもいまだ実用化されていない。

 このような背景の下、NEDOは国土交通省が策定した「研究開発・社会実装計画」に基づき、このたび同プロジェクトにおいて、新たに2テーマを採択した。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>


研究開発項目:アンモニア燃料船の開発
研究開発内容:アンモニア燃料エンジンの開発
       舶用アンモニア燃料供給体制の構築(バンカリング船開発)

 アンモニア燃料船のGHG削減効果の向上とアンモニア燃料の社会実装に向けた環境整備を目的として、アンモニア燃料エンジン開発におけるN2Oの排出低減対策技術とアンモニアの高感度漏えい検知などの安全対策技術を開発する。

事業名:グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発

採択テーマ:アンモニア燃料船搭載のN2Oリアクタ開発
      アンモニア燃料船サプライチェーン構築における周辺機器開発

予算:16億円(NEDO支援規模)
期間:2024年度~2027年度(予定)
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●科学技術ニュース●富士通、世界初!形式の異なる企業のデジタルアイデンティティー証明書を変換する技術を開発し欧州DBへの接続実証に成功

2024-05-09 10:10:03 |    情報工学
 富士通は、さまざまな業界において企業間でデータ共有を実現するデータスペースにおける、参加企業の正当性証明の相互運用性を高めるため、デジタルで管理された企業の属性情報(デジタルアイデンティティー)の証明書を変換する「IDYX Trust Interconnect」技術(IDYX:IDentitY eXchangeの略。複数の企業などに分散している個人のアイデンティティ(IDや属性情報など)を、安全に企業・個人間で流通する同社の技術)を新たに開発した。

 また、今回開発した技術の有効性を確認するため、同技術を欧州データスペースのOSSであるTractus-X(OSSのひとつであるEclipse傘下で「Catena-X」データスペースのコンポーネントを開発する公式オープンソース)に組み込み、日本企業が欧州データスペース参加するというシナリオで、デジタル庁が構築・運営するgBizID(日本の企業や個人事業主向けの共通認証システム。同実証では、アカウント発行に際し書類審査を行うことでより厳密な本人確認を行うgBizIDプライムを想定)を模した環境での認証を行い、その認証情報をもとにTractus-Xを使って構築したデータスペースに接続できることを世界で初めて確認した。

 同実証におけるOSS調査などは、NTTコミュニケーションズが協力した。

 同実証は、欧州自動車業界のデータスペースである「Catena-X(カテナエックス)」のGlobal PoCの一部である、Architectural Studyに位置付けられている。

 今回、日本をはじめグローバルで広く利用されている認証の仕組みであるOpenID Connect(OIDC:複数のサービス間で利用者の同意に基づき同じユーザーIDとパスワードを使って認証を行う仕組み。あらかじめIDプロバイダーに利用者の認証情報を登録しておき、ログインの際に発行されるトークンをサービスに渡すことでサービスの利用が可能となる)を利用して作成した企業証明書を、VC方式の証明書へ変換する仕組みを構築し、検証を行った。

 同実装を使い、gBizIDの認証を受けた日本企業が欧州データスペースに参加するというシナリオで、Tractus-Xを使って構築したデータスペースに接続できることを世界で初めて確認した。

 日本企業がVCを使うデータスペースに参加する際は、日本企業を対象とした企業証明書発行機関で企業が真正であると認証を受けると、その認証情報が本技術によりVCに変換される。変換されたVCは欧州のデータスペースに提示することで、企業確認が完了し、データスペースへの参加が可能になる。参加後も、データスペースのデータ提供者とデータ利用者の間でVCを交換し、互いの真正性を確認した上でデータ交換を行うことが可能。

 今後、同社は、「Catena-X」をはじめとした欧州データスペースに、欧州外の企業が参加しやすい仕組みを構築するため、同実証を通じて高度なトラスト技術を確立し標準化を目指す。これにより、企業が安心してデータをやり取りできる信頼性の高い世界を実現する。<富士通>
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