“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「「科学的に正しい」とは何か」(リー・マッキンタイア著/ニュートンプレス)

2024-05-29 10:01:55 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:「科学的に正しい」とは何か

著者:リー・マッキンタイア

監修:網谷祐一

訳者:高崎拓哉

発行:ニュートンプレス

 「科学の特別さの大元は、根拠を大切にする姿勢と、根拠を基準に理論を変える意思にある」。科学哲学者の著者は、この心構えを「科学的態度」と呼ぶ。同書は、科学における過去の成功と失敗の例を「科学的態度」でひも解きながら、疑似科学や陰謀論との違いなどにも踏み込み、「科学の何が特別なのか」というテーマを追究していく。科学と科学ではないものを分けるものとは? 研究の不正や捏造があってもなお、科学を信頼できる理由とは? 世界的ベストセラー「ポストトゥルース」の著者が贈る、現代人に必須の科学論。【目次】第1章 科学的方法と線引き問題 第2章 科学の仕組みに対する誤解 第3章 科学的態度の重要性 第4章 科学的態度と線引き問題——-解決の必要はもうない 第5章 科学的態度の実践——-科学者はどう科学的態度を尊重すべきか 第6章 科学的態度が変えた近代医学 第7章 科学が道を誤るとき——-研究不正などの過ち 第8章 裏通りの科学——-否定主義と疑似科学というペテン 第9章 社会科学の前進のために 第10章 科学の価値
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「最新オールカラー 電気自動車のしくみ」(森本雅之監修/ナツメ社)

2024-05-29 10:01:27 |    輸送機器工学



<新刊情報>



書名:最新オールカラー 電気自動車のしくみ

監修:森本雅之

発行:ナツメ社

 電気自動車のメカニズムがわかる。最新の電気自動車を取り巻く環境がわかる。電気自動車の未来がわかる。電気自動車のしくみ。【内容】・電気自動車(BEV)の歴史、進化の過程・電気自動車の技術・電池、バッテリーのしくみ・モーターのしくみ・充電方法や充電インフラ【目次】第1章 電気で走る車両とは 第2章 電気自動車(BEV)の歴史 第3章 自動車の運動と搭載機器 第4章 電気自動車(BEV)のしくみ 第5章 電動車(xEV)のしくみ 第6章 駆動用のバッテリー 第7章 電動車(xEV)に使われるモーター 第8章 モーターを制御する 第9章 充電の技術 第10章 自動運転技術 第11章 電気自動車(BEV)と社会【監修者】森本 雅之 慶應義塾大学大学院工学研究科修士課程修了。専門は電気機器とパワーエレクトロニクス。工学博士(慶応義塾大学)。電気学会フェロー。三菱重工業、東海大学工学部電気電子工学科教授を経て、東海大学退職後、東京都立大学、東洋大学、神奈川大学などで非常勤講師を務める。著書は、電気学会著作賞受賞の『電気自動車(第2版)』(森北出版)、『交流のしくみ』(講談社ブルーバックス)、『マンガでわかるモーター』(オーム社)、『「モーター、マジわからん」と思ったときに読む本』(オーム社)ほか多数。
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●科学技術ニュース●NIMS、米シーゲートと東北大学、HDDにおいて磁気記録媒体を3次元化することで多値記録が可能であることを実証

2024-05-29 10:00:56 |    電気・電子工学
 物質・材料研究機構(NIMS)、シーゲート・テクノロジー(Seagate Technology 、米国メーカー) 、東北大学の研究グループは、データセンタの記録装置として用いられるハードディスクドライブ (HDD) において、磁気記録媒体を3次元化することで多値記録が可能であることを実証した。

 IoTやDXに伴う記録媒体容量拡大の需要が高まる中、この実証は重要な意味を持つ。

 現在、HDDは垂直磁気記録方式が用いられており、記録密度を現在の1.5 Tbit/in2 (テラビット/平方インチ) よりも飛躍的に増やすことができる磁気異方性の高い鉄白金 (FePt) を用いた熱アシスト磁気記録方式 (Heat-Assisted Magnetic Recording, HAMR) が、Seagate Technology社により実用化されている。

 しかし、このHAMRでさえ10 Tbit/in2を超える超高密度磁気記録は困難とされている。そのため、10 Tbit/in2級の超高密度磁気記録には、新しい原理の磁気記録方式が望まれている。

 そこで同研究グループは、3次元磁気記録法を提案した。この方式は、従来の2次元記録層とは異なり、記録層を3次元的に積層することで記録密度を大幅に増加させる。

 現在のHAMR媒体は、非磁性の非晶質炭素マトリックス中に数nm (ナノメートル) の粒子状FePtを均一に分散させた2次元記録層からなる。

 この研究では、同様に非晶質炭素中に分散したルテニウム (Ru) 粒子をスペーサーとすることで、格子整合したFePt/Ru/FePtの単一粒子を作製し、上下のFePtを独立なものとして、FePtの記録層を3次元的に配置した。

 その結果、上下のFePt層がそれぞれ異なる磁化反転とキュリー点を示した。

 これは、書き込みレーザーの出力の調整により3次元多値記録が可能であることを意味している。

 今後、FePt粒子のダウンサイジング、上部FePt層の配向および磁気異方性の改善、FePt層の更なる多層化を進め、高密度HDDとして実用化に適した媒体構造の実現を目指す。

 同研究は、NIMS磁性・スピントロニクス材料研究センターのP. Tozman特別研究員、高橋有紀子グループリーダー、Seagate Technology社のThomas Chang研究員、東北大学のSimon Greaves教授によって行われた。同研究は、科学技術振興機構 (JST) 戦略的創造研究推進事業CREST「情報担体を活用した集積デバイス・システム」JPMJCR22C3の助成を受けたもの。<物質・材料研究機構(NIMS)>
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●科学技術ニュース●米原市とNTT西日本、NTTスマートコネクトの生成AIサービス実証実験を共同で実施

2024-05-29 10:00:01 |    人工知能(AI)
 米原市とNTT西日本は、NTTスマートコネクトが提供する生成 AI サービスのナレッジ検索技術(仮称)の業務効率化への活用と精度向上に向けた実証実験を開始する。

 生成 AI 技術の進展とともに、社内ドキュメントとの連携が業務効率化に大きな期待を集めている。

 NTT 西日本と米原市は、この技術を活用して情報アクセスの迅速化と正確性の向上をめざし、業務プロセスの効率化を図ることを目的としている。

 この共同実証プロジェクトでは、NTT スマートコネクトが提供する生成 AI サービスを利用し、米原市の庁内ドキュメントから関連する情報を検索し、そのデータを基に新たなテキストを生成するナレッジ検索技術(仮称)の効果を検証する。
 
 この技術を用いることで、職員が迅速かつ正確に必要な情報を取得し、業務の効率化を実現することをめざす。

 実施期間は、2024年6月1日から8月31日を予定している。

 具体的には、職員の福利厚生や会計年度任用職員に係る庁内問合せやウェブサイト等に公開する文書等、検索対象を限定し、情報抽出の迅速性や回答の正確性を検証する。

 米原市は、庁内ドキュメントを提供し、実証実験の対象業務を選定する。また、実験結果を基に業務の適用可能性を評価し、フィードバックを提供する。

 NTT 西日本は、技術的な支援を実施し、実証実験の環境整備と運営を担当する。また、評価実験の支援とデータ分析を行い、ナレッジ検索技術(仮称)の精度向上に向けた技術支援を進める。

 NTT スマートコネクトは、生成 AI サービスを提供し、実証実験で使用する技術の基盤を支える。また、ナレッジ検索技術(仮称)の精度向上をめざす。

 同実証プロジェクトを通じて、ナレッジ検索技術(仮称)の効果を広く評価し、その結果を基に業務プロセスの改善を図るとともに、米原市の更なる業務効率化及びDX推進の実現をめざす。

 この技術は、他の自治体や組織での業務改善に応用していくことを予定しており、技術的な改善とフィードバックを反映させ、継続的なシステムの最適化も進める。<NTT>
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