夏の特集(中)-3
午後の太陽がむんむんと取り返す団地の夏。私は汗をふきふき家路をたどっていた。もうろうとした頭は我が家の冷蔵庫の中を探っている。「冷たい物は何もないなあ。どこかでアイスを買って帰ろう」。その時だった。前方で「ウワーッ!」と子どもたちの歓声があがった。何だろうと近づいて見ると、子どもたちが「キャー、キャー」。水浴びをしていた。15人はいる。こぢんまりした保育園の片隅の、即製プールだった。男の先生も裸で真ん中に立ち、こけた子供の手を引きながら一緒に遊んでいた。サーッと一陣の涼しい風がよぎった。
鹿児島市 高野幸祐(75) 2008/8/22 毎日新聞鹿児島版掲載
午後の太陽がむんむんと取り返す団地の夏。私は汗をふきふき家路をたどっていた。もうろうとした頭は我が家の冷蔵庫の中を探っている。「冷たい物は何もないなあ。どこかでアイスを買って帰ろう」。その時だった。前方で「ウワーッ!」と子どもたちの歓声があがった。何だろうと近づいて見ると、子どもたちが「キャー、キャー」。水浴びをしていた。15人はいる。こぢんまりした保育園の片隅の、即製プールだった。男の先生も裸で真ん中に立ち、こけた子供の手を引きながら一緒に遊んでいた。サーッと一陣の涼しい風がよぎった。
鹿児島市 高野幸祐(75) 2008/8/22 毎日新聞鹿児島版掲載