はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

家族の大黒柱

2008-08-04 20:15:57 | はがき随筆
 結婚して早45年にもなる。3人の子供にも恵まれた。転勤で各地に家族ぐるみで移住した。そして、晩年の両親とも数年間一緒に暮らせた。
 気がついてみるとすでに古希を過ぎ、いつの間にやら2人だけの生活。「いろいろ頑張ってきましたね」と妻が言ってくれるが、頑張ってきたのは妻の方である。24歳の春より今日まで、嫁として妻として母としてそれぞれの役目を果たし、今では主婦の座を確固たるものにした。子どもたちをはじめ、私のいとこまで相談事はみんな妻にする。
 最近、妻は我が家を束ねる大黒柱になってしまった。
   志布志市 一木法明(72) 2008/8/4 毎日新聞鹿児島版掲載

主語と述語

2008-08-04 20:10:05 | はがき随筆
 すっかり耳が遠くなった。
 妻は面倒なのか、主語(1語)だけの発声、単語の連続。述語の部分がない。
 聞き出すのにひと苦労。時には口げんかも。
 昔、軍隊での命令伝達に、必ず復唱したことを思い出す。
 時にはお互いの思い込みで、手違いや失敗も。
 泣き笑いの人生。
 2人で半人前。
 きょうも何とか無事。
 一日一日を平穏に、安らかに過ごしていきたい──と、妻と話し合う日々。
   薩摩川内市 新開 譲(82) 2008/8/3 毎日新聞鹿児島版掲載

主語と述語

2008-08-04 20:09:52 | はがき随筆
 すっかり耳が遠くなった。
 妻は面倒なのか、主語(1語)だけの発声、単語の連続。述語の部分がない。
 聞き出すのにひと苦労。時には口げんかも。
 昔、軍隊での命令伝達に、必ず復唱したことを思い出す。
 時にはお互いの思い込みで、手違いや失敗も。
 泣き笑いの人生。
 2人で半人前。
 きょうも何とか無事。
 一日一日を平穏に、安らかに過ごしていきたい──と、妻と話し合う日々。
   薩摩川内市 新開 譲(82) 2008/8/3 毎日新聞鹿児島版掲載