はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

教え子の行為

2019-02-15 19:43:34 | はがき随筆
 私が70代のころではなかったかなぁ。宇土高校に勤務していた時の生徒が訪ねてきた。「先生こんにちは。今はいらんでしょうが、後で役に立ちますよ」と口にして階段の両側やトイレの壁などに木製手すりを、浴槽の3方向には金属製の手すりを取り付けてくれた。
 老化して動作が鈍り、歩行が不安定になった今では両腕で手すりをつかまえて階段を上がり下りしているし、浴槽の手すりを握って入浴したり出たりしている。彼が言ったとおりの行動をしている現在では、かつての教え子の行為が身にしみてありがたく、感謝の念しきりである。
 熊本市東区 竹本伸二(90) 2019/2/10 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿