はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

椎葉の大自然

2010-04-30 12:06:12 | はがき随筆
 「椎葉」という地名は、つい「平家伝説」を思わせ、どこか悲しい。
 3月21日、桜見をかねて妻と椎葉へ向かう。市房ダム越えの、九州中央山地の高い山々を縫う七曲がりの細道は、車の運転に気をつかい、冷や汗が出た。
 今も続く猪猟や昼食の「椎葉そば」は、深い山地の狩猟や農業の厳しさを考えさせる。
 平家の末裔の鶴富姫と源氏の大八郎が結ばれた館「鶴富屋敷」では、敵味方を忘れさせた包むような広大な自然を思った。
 帰路、私は、ふと考え直す。
 人間の原点は、椎葉の大自然の中にあるのでは、と。
  出水市 小村忍(67) 2010/4/29 毎日新聞鹿児島版掲載







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