道路の片側に小川がある。川縁の向かい土手に、瑠璃色のオオイヌフグリが一面に咲いていた。あまりにも美しいので川を飛び越え、土手にかがんで見ていると、ふあーんとヨモギの香りがする。近くにヨモギの群生があった。オオイヌフグリの可憐さも良かったが、懐かしいヨモギの香りに、子供のころ母の作ったおやつの団子が思い出された。つい手を伸ばしてヨモギを摘んだ。
早速ゆでる。なべからの湯気にヨモギの香りが漂う。団子にして黒砂糖を混ぜたきな粉をまぶした。春の香りと味を頂き幸せを感じるひとときだった。
出水市 年神貞子 2012/4/12 毎日新聞鹿児島版掲載
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