はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

街頭詐欺

2021-09-30 21:56:13 | はがき随筆
 昔は村で春に蓑笠市、歳末には年の市が開かれた。私はおもちゃのピストルが欲しくて市に行った。男が「坊や、どちらかが当たり」とくじを2枚出す。何回引いても全部はずれくじだった。後年、手品を習っていかさまの手法をつぶさに知った。文芸春秋のベストエッセイ集に載った武弘道さんの「大通り公園の詰将棋」は、若い頃、街頭賭博にだまされた体験記である。武さんは高校、大学の1年先輩。鹿児島市立病院長を務めた後、関東で活躍された。先輩との街頭詐欺の対談は、武さんが早く亡くなられて実現しなかった。
 鹿児島市 田中健一郎(83) 2021.9.26 毎日新聞鹿児島版掲載

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