はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

大きな穴

2009-08-23 17:14:33 | はがき随筆
 サルスベリのせん定中に脚立が倒れ、左肩を痛めた。自分の手には負えないので、庭木の処分を業者に依頼した。
 下見の結果、移植が可能と思われる木々は地区の方の好意で柳山へ植えることが決定。翌日早朝からクレーンで次々と4㌧ダンプに積まれ運ばれた。南西の庭木跡に大きな穴がいくつも……。その夜は寂しくて眠れなかった。
 11月には桜、梅、ツバキなど十余本が移植される。その後に夫の三回忌がくる。愛した庭木と楽しんでほしい。小雨にけぶる、紅ぼけのようなネムの花が、心の穴を慰めてくれる。
  薩摩川内市 上野昭子(80) 2009/8/18 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿