コロナ禍の下、庭の梅の蕾を探すのはささやかな楽しみである。暮れの頃はゴマ粒大の蕾をやっと見つけられた。
蕾との会話を日課にし、3週間が過ぎると、小寒になり冷え込みが一層厳しくなった。膨らまないなと思って近寄るとゴマ粒が若干膨らんでいる。
寒さが花芽を育てるというが、その神秘でたくましく、素朴な営みにしばらく見とれてしまった。一度きりの舞台を慎重に待つ蕾は健気にも見え、ささやかな楽しみは応援の気持ちも加わって日々膨らんでくる。
今日もまた見上げて探す蕾かな......。
宮崎市 杉田茂延(69) 2021/1/30 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます