はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

再生の視界

2010-01-27 17:51:42 | はがき随筆
 昨年12月、不自由だった左目の白内障手術を、痛みもなく緊張の11分のうちに途中2回、眼球の移動指示で終わる。術後1日で眼帯を外してもらい暗室を出ると一瞬、冬の日ざしと窓際の紅いコチョウランの色彩が立体的に映る。新鮮な視界に、心に喜びが伝わる。「うれしい」
 明るく映るものがきれいに見えるのは不思議である。2ヵ月すると視力も安定するらしい。
これからは再生視力をより大切にし、読書、自然観察、景色も入念に眺めたい思いを強く感じる。帰路の高隈山は透明な夕日が輝き、稜線がくっきり浮かぶ。感謝。ありがとうと呼ぶ。
  鹿屋市 小幡晋一郎(78) 2010/1/26 毎日新聞鹿児島版掲載

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