その儚さは承知の上なのだが、私は金魚すくいの店を素通りできない。子どもにせがまれるのはもちろんだが、実際は自分が欲しいのだ。
残念ながら、私はうまく金魚を育てられない。水槽を工夫したり、えさを変えたりしても、気がつけば金魚は白い腹をさらして浮かんでいる。あるいはその儚さこそが金魚の真骨頂なのかもしれない。ひらひらと舞う美しいひれや輝く鱗は下天のものではないのかもしれない。
今年もまた、六月灯で猩々を求めた。鉢底で身を翻す琉金は、夏のひとときを楽しんでいる。
鹿児島市 堀之内泉 2015/8/16 毎日新聞鹿児島版掲載
残念ながら、私はうまく金魚を育てられない。水槽を工夫したり、えさを変えたりしても、気がつけば金魚は白い腹をさらして浮かんでいる。あるいはその儚さこそが金魚の真骨頂なのかもしれない。ひらひらと舞う美しいひれや輝く鱗は下天のものではないのかもしれない。
今年もまた、六月灯で猩々を求めた。鉢底で身を翻す琉金は、夏のひとときを楽しんでいる。
鹿児島市 堀之内泉 2015/8/16 毎日新聞鹿児島版掲載
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