はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「年頭に思う」

2013-01-16 18:49:44 | 岩国エッセイサロンより
     岩国市  会 員   檜原 冨美枝

「書くぞ。載る載らんは別問題」。そう言いながらも、いちるの望みをかけ筆を執る。人間にはいろいろな趣味がある。虚弱体質の私は体力を使うものは苦手。下手の横好きでも、やめられないのが「はがき随筆」。

タイトルは浮かぶが、なかなかまとまらない。さりとて、美辞麗句を並べ行を埋めようとは思わない。日々の生き様の吐露に終わる。「いいではないか。脳に活力を与えるだけでも」と相棒はのたまう。そうよネ。快適暖房に埋まり、老残の身を持て余していてはいけない。書こう。空は青空。小鳥が2羽、大空を駆け巡っている。

(2013.01.16 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「相 棒」

2013-01-16 18:48:15 | 岩国エッセイサロンより


2013年1月15日 (火)

    岩国市  会 員  吉岡 賢一

真っさらな手帳にまずは当面の月間予定を書き込む。次いで分かっている限りの年間行事。更には忘れたら叱られそうな結婚記念日など、大切な各種記念日を赤ペンでマークする。

向こう1年間、頼りっ放しの相棒となる今年の手帳。予定欄が少しずつ埋まっていくのを見ると、今年もあれこれ面白い1年になりそうな予感。思わず腕をなでる。 

過去1年の生き証人ともいえる古い手帳。段々遠のく持ち主の記憶力をカバーして余りある働きぶり、ご苦労さん。新旧は交代しても、その存在は永久保存の光彩を放ち続ける。

  (2013.01.15 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載



「縁あって」

2013-01-16 18:47:05 | 岩国エッセイサロンより
2013年1月11日 (金)

岩国市  会 員   横山 恵子

私は子年生まれ。結婚する年、夫からの年賀状に「ねずみさん、がんばって」と書かれた横に大きなねずみの絵が。「箱入りねずみ」も、結婚後は子育て、家事、仕事、夫の5回の入退院、度重なる引っ越し等を経験する間に、かかあ天下の片りんが。

やがて夫が定年。子供たちも社会人となり、ホッとしたのもつかの間、夫が脳梗塞に。人生の一つの山を越えると、次の山が目の前に。登る気力は支える存在のお陰。今年は巳年。夫6回目の年男。巳と子の泣き笑い41年。漢字1文字で表すと「忍」いや、「謝」に軍配かな。

  (2013.01.11 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載