朝の散歩コースの途中に自然石を積み上げた石垣がある。
ある朝、石の一つ一つが蓄えている表情に気付いた。それぞれが喜怒哀楽を鎮めて穏やかな顔だ。
地表に出てから、幾たびかの風水害を経験し、激流に久しく耐えた表情だろう。 彼らも軍靴のあの響きを体感し、空襲におびえ、戦後の暗い飢えの時代を過ごしたのだと思うと、親しみを覚える。
四季の移り変わりにつれて、遠ざかる激動の昭和を石の面に偲ぶ。
青嵐や昭和ひきずる石の顔 啓刀
鹿児島市伊敷 福元啓刀(76) 2006/5/31 掲載
ある朝、石の一つ一つが蓄えている表情に気付いた。それぞれが喜怒哀楽を鎮めて穏やかな顔だ。
地表に出てから、幾たびかの風水害を経験し、激流に久しく耐えた表情だろう。 彼らも軍靴のあの響きを体感し、空襲におびえ、戦後の暗い飢えの時代を過ごしたのだと思うと、親しみを覚える。
四季の移り変わりにつれて、遠ざかる激動の昭和を石の面に偲ぶ。
青嵐や昭和ひきずる石の顔 啓刀
鹿児島市伊敷 福元啓刀(76) 2006/5/31 掲載