はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

宮崎ペングループとの交流会

2006-02-20 22:54:36 | 毎日ペンクラブ鹿児島
2月19日
 県南ペングループからお誘いいただき、初めての隣県交流が実現した。
会場の中華料理曼荼淋は宮崎支局長、塩満前鹿児島支局長、選者の足立先生、随友11名、鹿児島から7名でぎゅうぎゅう詰め、熱気あふれる勉強会がスタートした。甲斐さんの名司会で初対面の私たちもすぐに打ち解け和やかな雰囲気であっと言う間に4時間余りがたってしまった。遠慮のない辛口の批評には驚いたが、そこは随友の絆…最後は爆笑で一件落着。いいなあ。
 そしてそして毎月、選者の先生が参加し批評してくださるとは、何と恵まれた宮崎さん。それだけ会員の皆さんが熱心に学んでいると言うことだろう。
ときどき越境してお邪魔してもいいですかぁ 次は鹿児島で待ってまーす。


賞味期限

2006-02-20 08:41:25 | はがき随筆
2月20日
 娘が家に来る度に、冷蔵庫の中の食品の賞味期限に目を通す。これは早く食べなさい。これは期限切れでだめ、この豆腐はいつ買ったの。もうだめよ。いや俺が食べる、と言ってもだめ。もう体に抵抗力がないから危険、とゴミ袋へポイ。ああ、もったいない。娘は学校で何百人かの給食を作る。一度、中毒でも起こしたら責任が問われるので、うるさいのは当然だろう。だが、昔は冷蔵庫もなく、エエもたかっていた。何でも手当たり次第に口に運んだが、食あたりもした事がない。今の食社会、ちょっと神経過敏じゃないかな-。マータイさんは、どう思う。
   霧島市福島 楠元勇一(79)

大丈夫かな

2006-02-20 08:32:53 | かごんま便り
 過去の噴火の教訓を忘れない一方で、「これで大丈夫かな」と思ったことがある。
 先月12日に行われた「桜島火山爆発総合防災訓練」。行政や消防、自衛隊、地元の人たち5000人以上が参加した。1914(大正3)年の大噴火と同じ日に開かれ、今年で36回目という。
 年に1回とは言え、実際に訓練を見ると、身が引き締まり、桜島は活動を続けているのを実感する。日ごろ錦江湾にそびえる桜島の景観を楽しんでいる私も、この日は何やら不気味な山に見えた。
 危惧するのは現在、錦江湾で建設が進められている人工島だ。火山噴火につきものの地震には大丈夫だろうか。と言うのも、昨年3月に福岡沖玄海地震で福岡市の人工島が液状化現象を起こしたからだ。
 福岡市は一大事業として建設を進めている。私は社会面でも再三、掲載されたように税金を湯水のごとく使う事業との印象を持っている。人工島を造る目的も工業団地から住宅地としての分譲や、こども病院・感染症センターと福岡市民病院を統合する新病院の建設構想もある。
 不可解なのは、地震後に開かれた福岡市病院事業運営委員会で、委員が「(人工島は)地震で液状化現象を起こしたのに、災害時の拠点病院になるのか」「別の場所に建てることはできないか」の意見に、福岡市は「17年にわたりステップを踏んできた」「こども病院、市民病院の統廃合は決まっていること」と述べたことだ。答えにはなっていない。
 まずは人工島ありき。その地盤が安全かどうかは二の次、手掛けた以上は撤退をしない行政の変なプライドがうかがえた。 最先端技術で建設された関西国際空港も、地盤が沈下してジャッキで持ち上げている現状だ。膨大な費用は、つまるところ私たちが納める税金で賄われている。
 さて、桜島の近くで建設が進んでいる人工島。桜島が爆発したら大変だが、人工島の〝耐震強度〟は大丈夫だろうか。多量の降灰もあるだろう。地盤がゆるんだらヘリコプターの離着陸も危険になる。
 緑地公園にするということだが、本当に必要な事業なのだろうか。鹿児島には偉人の銅像や記念碑が多い。人工島の建設を進めた行政、議員の名を刻んだ石碑を建ててはどうだろう。その判断は後世に任せるとして。
鹿児島支局長 竹本啓自(2006/2/20毎日新聞鹿児島版掲載)