kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

捲土重来

2021-12-16 06:06:49 | 日記
オミクロン株が再び市場の大きなリスク要因となるのか、それとも杞憂に
終わるのか年末年始の相場の行方を左右するかもしれません。オミクロン
株での死者が英国で一人出たというニュースで今週は下げて始まる市場が
多かったようです。

オミクロン株は軽症が多いといっても高齢者や持病を持った人に感染すれ
ば死者が出ること自体は以外でも何でもありません。それでも市場でマイ
ナス材料と受け止められたのはワクチン接種完了者に対しての効果がデル
タ株よりもはるかに低くなるというデータが出てきたことです。

隣の韓国や欧米ではブレイクスルー感染を疑われる事例がデルタ株でも多
くなっているところにより一段と感染力の強いオミクロン株に主役が後退
すれば一段と感染者数は増加します。一方3回目のブースター接種をすれば
効果は高まるというデータも出てきました。

今後は3回目接種の進み具合とオミクロン株による感染拡大との競争になり
ます。足元ではオミクロン株の広がりの速さの方が勝っているということが
伺われます。

自動車各社は年明け以降挽回生産を計画しています。しかしオミクロン株が
新興国で猛威を振るえば再びサプライチェーンの混乱は避けられず新興国か
らの自動車部品が届かず十分な増産が出来ないかもしれません。今月トヨタ
はいち早く挽回生産に入りましたが、出鼻をくじかれるように東南アジアか
らの部品供給の停滞で一部の生産で支障が発生しています。

医療資源の脆弱な東南アジアで感染力の強いオミクロン株が流行すれば工場
は止まり部品供給が年明け以降再び大きな障害に陥るかもしれません。裾野
の広い自動車産業の影響は素材など多方面で影響が出ます。国内での感染拡
大が抑えられたとしても目を世界に向ければ決して安心できる状況ではあり
ません。

国内でも欧米に比べて3回目の接種は遅れています。国内での感染者数は非常
に落ち着いていますから接種の遅れは大きな不安にはまだなっていませんがひ
とたび日本で市中感染が発生すればあっという間に数は増加するでしょう。

1月下旬からの実施を目指すGO TOトラベルも感染状況次第の側面は残ります。
空運や旅行、レジャー、電鉄銘柄に覆う雲はいつになったら無くなるのでしょ
うか。

この業界でも今後は企業間で株価の戻りに差が出ることも予想されます。11月
にエクイティファイナンスが表面化したANAはライバルのJALに比べて一段と
株価軟調が目立ちます。両社を取り巻く環境は同様に厳しいものがありますが
ANAの経営の躓きも影響しているようです。

ANAは当時、将来原油高になれば必ず重荷になる大型4発エンジンのA380を3基
導入しました。需給調整の困難な超大型機、部品・設備面での不効率を承知の上
で購入しました。もともとはスカイマークが海外路線への進出のためにエアバス
から導入を予定していましたが、経営破綻により宙に浮きました。

ANAが大口債権者となったエアバスからのA380を3機引き取りました。そこま
でしてスカイマークを自社陣営に取り込もうとしたのはエアマークが持つドル
箱の国内路線を他社に渡さないことでした。大きな賭けに出たANAはコロナで
結果的に傷口を広げることになりました。

既に当時から需給調整の難しい大型機材から燃費効率の良い小型機材を使って
の高頻度の運航が主流になりつつありました。ANAの業績悪化は天災と人災の
複合要因でした。今後ANAは捲土重来を果たすことが出来るのでしょうか。そ
れともライバルのJALの後塵を拝することになるのでしょうか。
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