kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

上る半導体銘柄、沈む自動車銘柄

2024-07-10 05:54:55 | 日記
9日の日経平均は大幅高でした。事前の予想では上値4万1000円という市場関係者の見方を大きく
上回る上昇のおよそ800円高の4万41580円でした。やはり12日のオプションSQに絡んだ買いが上
げ幅を増幅しているのではないでしょうか。また市場では先週からの大幅上昇の裏にはオイルマ
ネーの流入の噂があるようです。

4~6月期には利下げ期待を背景に欧州市場にマネーが集まっていました。一方日本市場は揉み合い
展開が続いていました。欧州市場はフランスの政情不安もあり6月に変調きたしました。マネーの行
く先は再び日本に向ってきたようです。特に欧州系の短期マネーの買いが先週からの急騰を演出して
いるのではないでしょうか。

9日の大幅高の牽引役は半導体関連銘柄が幅広く上昇したことでしょうか。半導体では回路を形成す
る前工程での微細化は物理的な限界に近づき、生成AIなど向けに複数の半導体チップを組み合わせて
高性能化する後工程技術が重要になっている。というのが業界の見方です。

エヌディディア株の最先端GPUには高速処理するのに適している広帯域メモリが必要です。複数の
チップを重ねることで高速処理を可能にします。製品単価も高い代わりに技術的な難易度も高くな
っています。この後工程で脚光を浴びるのが精密にチップを切り分ける、削る、磨くという工程で
世界シェアをほぼ独占しているディスコです。

またチップの複層化で欠陥の有無を調べる検査装置も高性能な製品が必要です。アドバンテストは
エヌディディアから指名をされるほどの技術力があるようです。そして半導体製造装置を幅広く手
掛ける東京エレクトロンもやっと株高の流れに乗れそうです。

生成AIを筆頭に半導体市場の将来性は折り紙付きですが、シリコンサイクルはまだら模様のようです。
それが4月以降の半導体銘柄の調整に繋がりました。4~6月期の実績や今年下期の見通しがどこまで
投資家の期待に答えられるのかで7月相場で再び半導体セクターが先導役になれるかどうか判明します。

一方指数の大幅高の影でトヨタをはじめ自動車銘柄は軒並み下げる展開でした。中国市場で日本車の
シェア低下が止まりません。米国に次ぐ販売実績を挙げてきた大事な市場で中国メーカーとの競争が
激化しています。BYDはEVだけでなく手ごろな価格でPHVの販売攻勢を仕掛けています。主にガソリ
ン車主体の日本メーカーは劣勢が続いています。

各社の社内レートを越える大幅な円安で恩恵を受ける筈の自動車銘柄低迷の背景には中国市場での反転
攻勢が見えてこないからでしょうか。日経平均が大引けにかけて一段と上昇したことから前場下げてい
た自動車株も下げ幅を縮めたりプラス圏に浮上しましたが、勢いは感じられません。

6日の東京市場は半導体やソニー、日立といった大型株主導で上昇しましたが、値上がり銘柄は6割、売買
代金は4兆4000億円程と3月に5兆円を超えた水準まで届いていません。指数に先んじるように売買代金が
相場の先行きを映すのであれば、まだ今回の上昇相場の上値は残っているのかもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする