kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

リクルートサプライズ

2024-07-11 06:19:00 | 日記
このところの急伸で流石に短期的な過熱感や取引終了にかけて分配金捻出のためにETFが売りを
出すとの懸念もあり警戒感から10日の市場は軟調な展開も予想されましたが、予想以上の踏ん張
りを見せました。市場ではリクルートが9日取引終了後に発表した6000億円を上限とする自社株
買い効果でした。

リクルートのPBRは7倍、ROEは19%と日本株市場では「優等生」の部類に入ります。米国の優良
企業と比べても遜色のないレベルです。その企業が株主還元をさらに強化するというニュースは足
元でも高PERや高ROEの企業も含めて日本企業の自社株買いや増配の流れが拡大するとの期待が広
がり、株式相場の支えとなったようです。

これまでの大規模な自社株買いは成熟産業の属し、多額の余剰資金がありPBRが1倍を割り込んで
いる企業が実施するケースがほとんどでした。リクルートのような成長企業が株価対策でなくさら
に資本効率の高い経営に一段と舵を切るというメッセージはこれまで余剰資金があれば成長投資に
振り向けるという方針の企業にも成長と株主還元の両立を求める流れが強まるかもしれません。

幸か不幸はこれまで日本企業は有事の備えとしてせっせとお金を貯め込んでいました。その額は
100兆円を超えるとも言われています。また多くの政策保有株も減少しているとはいえ、まだ多い
というのが実情です。成長投資もすべて自己資金で賄うのではなく借入をしてレバレッジを利かせ
ればROEの上昇にも繋がります。

デフレからインフレに日本経済が変わってゆく中で多額の余剰資金を持っていること自体が経営者
の怠慢という指摘もあります。横並びの強い日本社会そして日本企業ですから他社が始めれば自社
もゼロ回答という選択肢は取りにくくなります。日本市場特有の大還元相場が今後何年も続くと考
えるのは少々行き過ぎでしょうか。

半導体受託生産のTSMCが10日発表した6月の売上高は前年同月比32.9%増でした。4〜6月期の売上
高は市場予想を上回ったことで同株は大きく上昇し高値を更新しました。その株高の流れが他の半導
体銘柄にも広がりました。米国市場はNYダウ、ナスダック指数、S&P500種とも上昇しました。

シカゴ先物市場で日経平均先物は4万2000円を越えて戻ってきました。今日の東京市場でも4万2000円
大台乗せは必然でしょうか。前日の10日の市場ではETF分配金捻出のため引けにかけて警戒されました
が、予想外の堅調な相場展開で先物を売っていた投資家が買い戻しを迫られたようです。それも大引け
にかけての上昇に拍車がかかったようです。今日の市場は米国株高もあり先高期待が強いことは買い材
料、一方このところの急激な株高に対する警戒感から4万2000円での揉み合いでしょうか。
コメント
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