kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

カーボンゼロの不都合な真実

2022-01-18 06:44:51 | 日記
政府は新型コロナウイルスの拡大を受けて東京など首都圏4都県に対し、まん
延防止等重点措置を週内に適用する方向で検討に入ったとの報道が出てきまし
た。三重や熊本県にも適用するとの見方も出ているようです。

今後の感染状況次第では全国に適用が広がるかもしれません。また今後の感染
状況次第では非常事態宣言の発令まで追い込まれるかもしれません。どちらに
しても今週と来週でどこまで感染者数が増加するかが焦点になりそうです。

原油価格が再び上昇してきました。WTI先物は先週14日時点で84ドルまで上昇
し昨年10月につけた85ドル台を伺う展開です。オミクロン株の感染拡大で需要
減予想から60ドル台まで下落していた価格は需要の落ち込み懸念が後退しまし
た。

当初2022年の需給予想では日量200万バーレルの供給過剰でしたが、OPEC加
盟国の一部で経済活動が不安定になり目標の未達が危惧されています。米国の
シェールオイルも増産余力は乏しく原油先高観に繋がっています。

原油高の背景には脱炭素機運の高まりがありそうです。温暖化防止の観点から
政府系ファンドはエネルギー企業から投資を引き上げています。金融機関から
もエネルギー向け融資を絞り込む動きも出ています。

またエネルギー企業は将来の需要低迷から投資しても十分なリターンが得られ
ない座礁資産への懸念から新規投資には後ろ向きです。一方再生可能エネルギ
ー開発には巨額な費用と時間が必要です。当面は化石燃料に頼らなければ経済
は回りません。

余りにも急激な再生可能エネルギーへの転換機運が結果的に原油やガス価格の
急騰を引き起こしています。エネルギー価格の上昇はインフレ懸念を高め中央
銀行の金融引き締めを加速することになり株式市場には大きなマイナス要因で
す。

以前なら価格上昇が起これば投資が活発になり供給が増えました。結果的に価
格上昇は抑えられました。一方供給過剰になれば価格は下落し投資は抑えられ
ました。結果的に市場メカニズムが働きました。しかし今は温暖化防止の潮流
が高まり化石燃料の需要は中長期的に減少することが既定路線です。

投資をしても十分な回収ができない、座礁資産になってしまうということが懸
念されるようになり価格上昇が投資加速に繋がりません。中長期的には化石燃
料から再生可能エネルギーが主流になるでしょうが、当面は化石燃料に頼らざ
る負えません。

今年北海ブレンドは120ドル、WTIは100ドルを突破するとの予想もあります。
原油価格の上昇はあらゆるものの価格上昇に繋がりインフレが進みます。利上
げが市場の予想以上に進むなど市場の波乱要因となります。オミクロン株の影
響が少なくなり経済再開が進めば需要の増加予想から上昇に弾みがつくことも
考えられます。原油価格の上昇から今年は目が離せません。


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