kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ピンチをチャンスに

2024-08-13 06:09:26 | 日記
超円安の恩恵が消え去った日本株の真価が問われる時がやって来たようです。円相場は年末
まで145円から150円のレンジで推移できれば東京市場にとってベストではないでしょうか。
160円を超える円安は輸出企業などにとってはメリットでしょうが、輸入物価の上昇で国民
生活に欠かせない食品などの価格上昇で生活に支障が出ます。

また外需型企業の円安の追い風があるうちは不採算事業や低収益事業の温存に繋がり事業転換
など遅れます。時代と共に一世を風靡した製品にも寿命が訪れます。市場が縮小する製品に固
守すれば企業そのものの存続も危ぶまれます。行き過ぎた円安は大きな落とし穴にもなります。

JVCケンウッドという企業があります。AV機器メーカーのビクターとケンウッドが経営統合して
できた企業です。両社の統合は決して前向きのものではなく存続をかけて追い詰められてのもの
でした。コンポーネントステレオやカーオーディオ、ナビゲーションの製品の変遷はありました
が、オーディオ専業メーカーは1980年代の株式市場では優良銘柄でした。

業界の名門であったパイオニアは高収益、値嵩株の代表格でした。ビクターはVHSでソニー陣営
のベータ規格争いで勝利しビデオレコーダー市場で成功した1社になりました。その後は業績低
迷もありパナソニック傘下になりそれでも業績の立て直しは出来ず最終的に同業のケンウッドと
経営統合しました。

カーナビ市場はスマホの登場で市場が縮小しました。特に市販市場はカーナビがメーカーの純正
品となったことで一段と苦境に追い込まれました。JVCケンウッドは創業時からの強みである無
線技術に磨きをかけ経営資源を業務用無線につぎ込み見事花開き業績はここ数年見違えるような
結果でした。

弱者連合であったビクターとケンウッドが統合して退路を断ち自社の競争力のある事業にヒト、モ
ノカネを注ぎ込んだことが会社再生に繋がりました。NECは世界を席巻した半導体やPC事業の不
振で株価は100円割れ寸前まで下落しました。同社はハード事業からの撤退とソフト分野の強化で
見事に再建が成し遂げられました。

失われた20年の日本でも小売りのファーストリティリングやニトリは業績を伸ばし時価総額も大き
く膨らみました。環境が厳しい状況でも伸びる会社は少なくありません。行き過ぎた円安は輸出企
業にとって目先の利益が確保できることで弱い事業の温存にも繋がります。ピンチの状況でも一発
逆転も夢ではありません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする