kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

稼ぐ力が問われる

2024-08-27 05:26:55 | 日記
株式市場は8月初旬に大きな調整を迫られました。米国景気の失速懸念や7月の日銀の利上げ
といった想定外のニュースが特に日本市場の調整を大きくしました。そしてその回復過程で
日米市場の明暗が分かれました。

先週まで値動きを見るとNYダウ、ナスダック指数とも7月末の水準を越えて8月の下落分を
取り戻したのに対して日経平均は7月月末(3万9101円)に対して先週末23日の終値は3万
8364円とまだかなり距離があります。この間進んだ円高が株価の逆風になっているという
見方が多いようです。

週明けの東京市場でも143円まで円高が進んだことが影響して株価は寄り付きから売り物に
押されて3万8000円を割り込んでいます。一方ドル建て日経平均は円高が進んだことで7月末
の255を越えて先週末は263まで上昇しました。

一般的に長期投資家はドル建て日経平均を番地マークにしていると言われています。年初か
ら3月まで一本調子に日経平均が上昇した局面でも円安がそれ以上に進行した結果海外投資家
のパフォーマンスは芳しくありませんでした。

一方短期筋の取っては輸出製造業が上場企業に多いことから円高は企業業績を押し上げること
に繋がります。株価にとっては円高が短期筋にとってはネガティブな材料になります。また今
年7月まで過去最高を更新する勢いで増加したインバウンドにも円高が逆風なるという懸念もあ
るようです。

利下げが目前に迫り過度なドル高と金利高は是正される方向に向かっています。金利低下は企業
にとっても米国にとっても好ましい動きです。ドル高是正でグローバルにビジネス展開する米国
を代表する企業にとっては追い風です。ダウが高値更新したのは米国を代表するグローバル企業
30社の集まりであることも背景にあるのかもしれません。

年前半続いた円安株高局面から投資環境は変化し今度は円高を懸念しての株安を心配する局面に
なるのでしょうか。160円を超える円安が行き過ぎた円安であり7月の日銀の利上げ方針にも影響
したとの見方もあります。円安で海外からの原材料が上昇し国内の物価上昇が賃上げを上回る状
況では国内消費に悪い影響が出ます。

程よい円相場については見解が分かれるかもしれませんが、140円を挟んで5円程度の水準なら輸
出企業や輸入企業も納得の水準なのではないでしょうか。既に自動車などは現地生産が進み円安
効果も10年前とはずいぶん違っています。円相場がこの水準でも株高が復活するには企業が稼ぐ
力を一段と磨く必要があります。円安で水膨れした利益は長期投資家には少なくともアピールで
きません。

多少の円高を跳ね返し業績を伸ばせる企業はどこなのか。円高でメリットを本当に受ける企業は
どこなのか。企業業績は為替相場だけで決まる訳ではありません。円高ですべての輸出企業が最
初は売られますが、次第に個別企業への影響が株価に反映されるようになるでしょう。円高メリ
ットグループでも同じことが言えます。円高メリットが市場が考えているほど業績を押し上げな
いケースもあるでしょう。
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