不人気銘柄に注目

市場注目の米雇用統計は事前予想の19万人増に対して25万人増と
いう結果でした。9月、10月分も上方修正され平均時給も上昇しま
した。事前には弱い数字も予想されましたが、雇用面からは米国
経済の好調が確認されました。関税第4弾の発動が回避されれば
しばらくは米国経済の好調が続くと予想されます。

2日に大きく下落したNYダウは6日の大幅高で週間ベースでは35ドル
の小幅安という結果になりました。2万8000ドルから一段と上値を
追うにはやはり米中通商協議で何らかの合意が欠かせないのかもし
れません。もっとも市場では15日に迫った関税引き上げ期日を延期
したうえに合意を年明け以降持ち越すのではないかという見方も増
えてきました。

その場合市場がどんな反応を示すのか現時点では想像もつきません。
今週の市場の焦点は何といっても15日に迫った関税第4弾の引き上
げが実施されるのかどうかです。先週同様トランプ大統領や政府高
官の発言で相場が翻弄される状況は続きそうです。

5日に日本製鉄株が突然商いを伴い急騰しました。6日も続伸しまし
た。これで株価は7月に急落する前の水準を取り戻しました。チャ
ートを確認すると26週移動平均を上回り調整一巡感もあるのではな
いでしょうか。同業のJFEホールディングスも同様の動きです。

米中通商協議の行方にもよりますが、日経平均が年内に2万4000円
近くまで上昇する或いは4000円を越えて高値を更新することがあっ
てもリード銘柄はこれまで人気化した銘柄ではなく永く不人気だっ
た銘柄になるかもしれません。

これと言って大きな買い材料が出てきた訳でもない鉄鋼株の急騰は
その前兆現象なのかもしれません。年末年始の相場ではこれまで大
きく上昇した銘柄が確たる材料なしに売られたり不人気銘柄が突然
急騰したりするケースもありました。案外値幅取りが出来るのは不
人気だった銘柄の中にあるのかもしれません。

個人的にはヤマトHGなどはその条件が当てはまる銘柄ではないかと
見ています。10月以降の相場のリード役であった半導体関連などは
価水準がかなり切り上がっていますからこの水準から大幅な上値は
厳しいかもしれません。多くの投資家が見落としている銘柄の中に
お宝はありそうです。