骨太・中村清六

2011-01-31 10:34:02 | 塾あれこれ
半月ほど前に中村清六さんが亡くなられた。
私の父より一歳年上ですから高齢。

何年か前まで日本伝統工芸展にも出品されていましたが
さすがに最近は見かけませんでした。
もっとも、伝統工芸展には行かない年もあるのであまり
正確な表現ではありません。

小柄な方ですがスケールは大きい。

以前NHKで人と仕事を紹介する30分ほどの番組が
あったと記憶しています。

現在の人間国宝クラスが轆轤を習いにゆくほどの名人です。

しかし名誉や肩書のほとんどを拒否され、作品ひとすじに
生きられました。

その気概やよし。

多くの人が肩書きを欲しがり有名になりたがります。

人間国宝になれば名誉心の満足だけでなく作品のお値段も
一桁は違ってくるはずです。
皆さんの目がそればかりに向かれます。

そこでお亡くなりになると途端に作品のお値段が落ちる作家が
陶芸でも絵画でもごろごろとおられるハズです。

中村清六はそういう世界とは無縁でした。
肩書などさまざまな打診があっても断っていた。
人間国宝に教える人が無冠というのは痛快でしょ。

日本人には少なくなってしまった気骨ある人でした。


写真は三寸の杯
(右は清六さんではありません。比較)

私は手が小さいので指で挟んでは飲みづらく
三三九度みたいに両手で頂くのも変
時代劇で信長がするように親指を中に入れて使うのですが
人間のスケールのせいか似合わない。

神棚に遣うのがよい?
でもその神棚がない。
長く仕舞ったままにしていました。

この度十年ぶりほどに出して飲んでみましたが(酒は白鴻)
口当たりの良い盃です。


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