拓郎「唇をかみしめて」

2013-06-10 15:00:30 | SONGS
遅ればせながら拓郎とジュリ-の対談をTVで。

「田舎者」の拓郎がさんざん喋るので
「都会人」のジュリ-がいささか(引いて)いました。

広島でタイガースに衝撃をうけ、その高みを目指す
それが吉田拓郎のエネルギーになっていた。
・・どうも今でも引きずっているようですね。


(人としての拓郎)と作品の距離が近いと感じていました。
それまでのプロの音楽家先生たちとの違いですね。

この「人っぽさ」があのころ若者を引っ張りました。
今、振り返ればみんな「ずーっと拓郎だった」


この対談のために拓郎が歌ったのが『唇をかみしめて』

80年代初の歌で、拓郎は広島から離れて久しく
いくぶんかこなれない広島弁に当時の私としては
それほど乗れなかったのですが
今回、TVを聞きながら泣いた泣いた
泣けて泣けて仕方ありませんでした。

カミサンが「どうかしたん?」

普通なら例えば1番で泣けても3番くらいでは収まるもの、
それが最後まで嗚咽状態なのです。

「広島を離れる時の気分を下敷きにしとるじゃろ」
「ふーん、でアンタも何かあったわけ?」

あるわけないよね。イヤミか。

モテナイ君で嫌われ者、広島から東京にゆくホームには
弟だけが見送ってくれました。
お互い、口数もなく。


♪どこへ行くんネ
 何かええことあったんネ
 住む気になったら
 手紙でも出しんさいや

分かれた瞬間から「相手」は輝きを放って飛び去ります。

きっと向こうから見てもそう。
それを十分に知っての別れの言葉です。

拓郎の場合、恋人でもいたのでしょうか。

「どうしても東京に出たいんじゃ」と。

いつかまた会うときがあっても過ぎ去ったものは
遠くに小さく光っているだけなのに。

♪仕合せになってやる
 人が往くんよネ
 選ぶも選ばんも風に任したんヨ
 人がおるんよネ


上京の頃でしょうか『マークⅡ』という歌があります。

♪さよならが言えないで、いつまでも歩いたね
 街あかりさえ消えて 足音がさみしいよ
 ・・
 また逢うときは大人になっているだろ
 別れたくないのに 冷たいこの世界

それから十年たって、今も遠くから聞こえてくる

♪あんたは行きんさい、遠くへ行きんさい

取り返しのつかないあちらで輝いているのです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿