自分の土俵で

2010-02-21 14:32:41 | 塾あれこれ
「君たちが大きくなるころには世界を相手にするんだ」と
私たちが高校生のころ学校の先生に云われました。
40年以上も前の話です。

私など全くピンとこず、そのままうかうかと過ごし
後になって反省しましたが、・・・遅い・・

現在の子供たちには何と云えばよいのでしょう。

社会のグローバル化、国際協調、などと共に
国際的な競争の激化も避けられないところです。

良い車を作れば世界中に売れ、諸外国との関係ができますが
相手の社会状況・政治状況に否おうなく直面せざるを得ず
ぼーっとしていたらバッシングを受けますね。

必然的に会社内での国際化が急速に、かつ、大きく進みます。
子供たちは世界とつきあう強さを育てねばなりません。
また、厳しい競争を生き抜かねばなりません。


そんなときに外国人と同じ土俵では不利。

日本も外国と同じシステムを取り入れ、彼らに負けないだけの
エネルギーを注ぎこむことは可能です。
しかしそれでは勝てません。
ベースとなる部分が違うのです。

中国なら中国の文化があり、一人ひとりには「長い歴史」
という財産が蓄積されているからです。

アメリカにはアメリカのスピリッツがあり、浸透力と
普遍性は図抜けています。
日本でThe black eyed peasは何十年も早いでしょう。
徹底した競争社会を成り立たせる文化も敵いません。

韓国の集中力、インドの思考力、欧州の論理世界ETC

日本は何が可能でしょう?
他の国が真似できないこととは?

それを見つけ出す、あるいは再確認する、ここから始める
仕事が日本人全体に求められています。

教育も事情は同じです。

否、もしかすると教育界から社会に問いかけをできるかも
しれません。


日本人の優れていたと思われることを挙げてみましょう。
(すでに滅びかけているものもありそうですが)

個々人のまじめさ、倫理観の高さ、人を信頼できる心
嘘がつけない、規範順守精神、責任感の強さ、
ばらつきの少なさ、一を聞いて十を知る、工夫ができる
マニュアルが不要、などなど。

司馬遼太郎の『アメリカ紀行』から浮かび上がる
日本の良さを再確認したいですね。

日本の長所は「教えない」という教育法に結びつくものです。

完璧とは云えない教育法かもしれませんが、長い歴史が有効性を
証明しているものです。

明治の初めに世界を驚かせた日本人の優秀性は
塾や寺子屋が作り上げたものでした。
そこでは基本的には「教えない」教育です。

明治以降、学校教育が定着しても日本社会には古来の「教えない」
精神が生き続け、学校教育の欠点を補っていたのではないか
と思われます。

教育の伝統が薄まるにつれ学校教育の弱点が見え始め
現代につながると私は考えています。


丸ごと「昔に帰れ」は非現実的です。

どのようにすれば再び「教えない」教育を根づかせる
ことができるか、塾も及ばずながら頑張らねばならない
と考えますが、・・笑われちゃうかなあ?


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