ハンマースホイ

2008-11-17 14:32:54 | 塾あれこれ

東京はうらやましい。

近年、大きな美術展は東京だけで開かれます。
以前は関西にも巡回していましたから無理をして
見にゆく機会もありましたのに。
最近は新聞社がケチをしてるのかなあ。

先ごろ?のマチス展は見たかったですね。
Y新聞は東京ばっかり・・

さて日経のハンマースホイ展。

昨日、NHKの新日曜美術館で紹介されました。
19世紀から20世紀にかけてのデンマークの画家。

あちらを向いた女性の後姿、とか半開きになった扉
だけの部屋とか、地味な色合いで描いています。

ガランとした空間は寂しくもあり懐かしくもあり
見ようによっては神経を病んだ世界とも思えます。

柔らかな光を見つめるだけを一生続けた画家と
いえるかもしれません。
番組を見ただけの印象ですがね。

TVで紹介された多くは室内画でしたが人物以外は
家具とて殆どなく、花や犬猫など命を示すものもなく
鮮やかな色彩も存在しません。

いつも窓の外に残雪があるような、冷たいけれど柔ら
かな光が室内に滲んでいます。

いかにも北ヨーロッパですね。

日本の風土ならば同じ静かな光でも違う存在でしょう。

瀬戸内に育った詩人の心象であれば
もっと明るくて、そのくせ孤独。


孤独でありながら一人では生きてゆけない人間を象徴
するかのように、この画家も人のいない空間を描きな
がらその部屋は人工であり人の気配が残っています。

カール・ドライアーの映画を思い出しました。

やはりデンマークの映画監督。
ハンマースホイが亡くなった直後くらいから
映画を始めています。

『奇跡』
さあっと射し込む夜の灯りにキリストを思い浮かべる
あのシーンはハンマースホイの生まれ変わりが
創り上げたものかもしれませんね。


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