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東京はうらやましい。
近年、大きな美術展は東京だけで開かれます。
以前は関西にも巡回していましたから無理をして
見にゆく機会もありましたのに。
最近は新聞社がケチをしてるのかなあ。
先ごろ?のマチス展は見たかったですね。
Y新聞は東京ばっかり・・
さて日経のハンマースホイ展。
昨日、NHKの新日曜美術館で紹介されました。
19世紀から20世紀にかけてのデンマークの画家。
あちらを向いた女性の後姿、とか半開きになった扉
だけの部屋とか、地味な色合いで描いています。
ガランとした空間は寂しくもあり懐かしくもあり
見ようによっては神経を病んだ世界とも思えます。
柔らかな光を見つめるだけを一生続けた画家と
いえるかもしれません。
番組を見ただけの印象ですがね。
TVで紹介された多くは室内画でしたが人物以外は
家具とて殆どなく、花や犬猫など命を示すものもなく
鮮やかな色彩も存在しません。
いつも窓の外に残雪があるような、冷たいけれど柔ら
かな光が室内に滲んでいます。
いかにも北ヨーロッパですね。
日本の風土ならば同じ静かな光でも違う存在でしょう。
瀬戸内に育った詩人の心象であれば
もっと明るくて、そのくせ孤独。
○
孤独でありながら一人では生きてゆけない人間を象徴
するかのように、この画家も人のいない空間を描きな
がらその部屋は人工であり人の気配が残っています。
カール・ドライアーの映画を思い出しました。
やはりデンマークの映画監督。
ハンマースホイが亡くなった直後くらいから
映画を始めています。
『奇跡』
さあっと射し込む夜の灯りにキリストを思い浮かべる
あのシーンはハンマースホイの生まれ変わりが
創り上げたものかもしれませんね。