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高橋和巳訳、中公文庫
狂人日記、孔乙己、故郷、阿Q正伝などが入った
魯迅の第一作品集です。
これは高橋和巳の完訳版
230頁ほどの薄い文庫本ですが定価180円(昭和48年)
○
高校の教科書だったかで竹内訳「故郷」を読みました。
久しぶりに読み返して全体の印象は変わりませんが
幼馴染ルントウの描写が記憶のイメージより簡略で
これだけの描写であの強い印象を与えるのか、と
改めて感動しています。
名作は読み返すべきものですね。
若いころはまったく分からなかった「狂人日記」が
心に沁みます。
「孔乙己」も深すぎますね。
クラっときて何かにつかまらなきゃ倒れそうです。
こんな作品でも私は表面的にしか捉えていなかった。
話の内容はよくあるといえばそうなのですけれど
(歴史的にどうなのかはよく分かりません)
そういうことは関係ありませんね。
いつの記憶なのだか孔乙己のラストの姿をした物乞?
を見た記憶があります。
戦後はまだおられましたね。
正座の形をしたまま手をついて道を進まれます。
とある方が速いスピードで移動されており、見ると
下肢に自動車タイヤを巻きつけておられました。
子供心に強く焼きついたことです。
○
「魯迅の作品は暗い。」
高橋和巳の解説冒頭にこうあります。
人間を見つめた結果でもあり、魯迅という人の人間性でも
あったからでしょうが、社会の反映でもあったはずです。
貧困は人を暗くします。
現代社会が物質的に豊かとなっても人は幸せに結びつき
ませんが、かといってその反対に貧しい世の中では
不幸な人が多く出ることも間違いありません。
阿Qとあまり違わないような私でも現代社会では何とか
還暦を迎えることができているのですから。
中国政権が経済に血眼であるのも分からないではない気
になるのは半世紀前までの中国社会の記憶があるのです。
ま、それだけっていうワケでもないだろうけれど。
○
読み返してさまざまな思いがよぎりますが
加齢ゆえに分かることもあるようです。
「故郷」
主人公に母がいう何でもない一言が胸にしみます。
『二、三日休息をおし。
親戚に挨拶回りをすませたら、行ってもいいよ』
狂人日記、孔乙己、故郷、阿Q正伝などが入った
魯迅の第一作品集です。
これは高橋和巳の完訳版
230頁ほどの薄い文庫本ですが定価180円(昭和48年)
○
高校の教科書だったかで竹内訳「故郷」を読みました。
久しぶりに読み返して全体の印象は変わりませんが
幼馴染ルントウの描写が記憶のイメージより簡略で
これだけの描写であの強い印象を与えるのか、と
改めて感動しています。
名作は読み返すべきものですね。
若いころはまったく分からなかった「狂人日記」が
心に沁みます。
「孔乙己」も深すぎますね。
クラっときて何かにつかまらなきゃ倒れそうです。
こんな作品でも私は表面的にしか捉えていなかった。
話の内容はよくあるといえばそうなのですけれど
(歴史的にどうなのかはよく分かりません)
そういうことは関係ありませんね。
いつの記憶なのだか孔乙己のラストの姿をした物乞?
を見た記憶があります。
戦後はまだおられましたね。
正座の形をしたまま手をついて道を進まれます。
とある方が速いスピードで移動されており、見ると
下肢に自動車タイヤを巻きつけておられました。
子供心に強く焼きついたことです。
○
「魯迅の作品は暗い。」
高橋和巳の解説冒頭にこうあります。
人間を見つめた結果でもあり、魯迅という人の人間性でも
あったからでしょうが、社会の反映でもあったはずです。
貧困は人を暗くします。
現代社会が物質的に豊かとなっても人は幸せに結びつき
ませんが、かといってその反対に貧しい世の中では
不幸な人が多く出ることも間違いありません。
阿Qとあまり違わないような私でも現代社会では何とか
還暦を迎えることができているのですから。
中国政権が経済に血眼であるのも分からないではない気
になるのは半世紀前までの中国社会の記憶があるのです。
ま、それだけっていうワケでもないだろうけれど。
○
読み返してさまざまな思いがよぎりますが
加齢ゆえに分かることもあるようです。
「故郷」
主人公に母がいう何でもない一言が胸にしみます。
『二、三日休息をおし。
親戚に挨拶回りをすませたら、行ってもいいよ』
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