教育を考える場合2つのアプローチがあります。
一つは学究的なもの。
もう一つが個人の体験をもとにしたもの。
○
体験的教育論には、どうかと思うものも多い
ようで、目立つのは有名人のそれ。
ただ一つのケースにすぎないとはつゆ思わず
自信に満ち溢れて説かれます。
そりゃあ自分は成功しているわけですからね。
N賞のN氏をはじめ数多くいらっしゃいます。
自分の教育論が特殊なものかもしれないとか、
ごく部分的にあてはまるだけかもしれない
とは思われないようです。
○
「何とか再生会議」はどうなのでしょう。
とある子育て経験者は母乳で育てることの大切さを
会議で述べられたそうです。
耳学問と体験から出来あがった信念でしょうな。
間違っているとは言えないゴリッパな意見です。
母乳で子育てをすると、ご子息が一世一代の襲名の祝
儀を脱税し証拠を地下室に隠すなどと「しっかり」者
に育つのでしょうか。
私などのイメージする伝統的な日本の常識からすると
身内がどうであれ公で立派な説を垂れるという神経は
分かりづらいものですが世間になかなか辞めない大臣
や総裁・会長のあまたおられる中では普通かもね。
◎
塾などの現場も「体験的教育論」でしょう。
国家の教育進路を考える会議に体験的教育論の
広がりがあるということは、学究的なものでない
意見が認められる可能性がでてきているということ
になります。
喜ばしいことかなあ?
○
学究的なアプローチでは教育効果測定に難しさが
あります。
そこで数千年の歴史を踏まえた「体験的」伝統
教育から学ぼうと言うのですが、その立場から
すると上記のような体験的教育論に失笑を買う
ようなものがあるのは残念です。
○
『はい、こちら国立天文台』という本があります。
長沢工著 新潮文庫
副題に「星空の電話相談室」とあるとおり
国立天文台広報普及室でのエピソードが満載
されています。
この本には長沢氏の体験的教育論もあります。
教育の本を書こうとされたものではありません。
ただ、こういうものにホンスジの教育が語られている
ことはよくありそうです。
朝ドラ『芋たこなんきん』もそうでしたね。
私達は「智恵」を取り戻さねばならないのです。
智恵は断片的でおわるものではありません。
自らが持っている体系に新たに組み込むものです。
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