式子内親王の御歌
『ほととぎす そのかみ山の旅枕 ほのかたらひし空ぞわすれぬ』
横書きではたいへん申し訳ないのですが
ブログを縦書きにするすべを知りません。
ソフトを買えばよいのでしょうが。
○
昔からホトトギスは歌に詠まれます。
名歌も数々あります。
季節感だけでなく、恋愛の強さをイメージさせる
だけでもなく、遠山からのあの声は
時間の遠さも思わせるのでしょう。
上記、式子内親王もそうです。
昔のことゆえ、あわくなりゆく、けれども鮮やかに
あのときのこと、決して忘れない・・・
○
桜を詠むのが難しいようにホトトギスも難しい。
『ほろ酔ひの耳疑はすほととぎす』
『昔からあの山で啼く時鳥』
上の句は誰の作なんだか、噴飯モノですな。
○
1980年代初め、ついに会社を辞めることにした私は
広島に舞い戻りました。
母の家は市の郊外、団地の小さな平屋建て。
私のいない間にローンを組んで購入していたのです。
そこへ三十過ぎの息子が転がりこんだ。。
五月丘という団地に峠を越えてゆくには、どんな山奥
にゆくかというほどの細い山道です。
田舎というより山という感じ、猪くんや蛇さんと共同
の団地でしたね。
借りてきたネコ状態も、母が寝て、一人しばしの酒に
酔い、本などを読んでいると落ち着きます。
山すその田から蛙の大合唱も上ってきました。
真っ暗な外に目を移していますと夜なのに鳥の啼き声
がします。
しみじみ田舎に帰ったなあ、と思いました
まだ若かったから都会に未練があったのでしょう。
○
暫くして鳥の声のCDを買いました。
小中学生に国語に出る鳥の声を聞かせるためです。
安月給で少し躊躇しましたが。
私も勉強になりました。
あれがホトトギスだったのです。
ラジオなどでも聞いており覚えていなければならない
筈でしたが、生徒に文化を説きながら、この程度で
あったワケです。
CDやラジオで聞くのと実際に鳥を聞くのとでは
「しみじみ感」がずいぶん違うものでもあります。
○
あれからいろいろなことがあり、三十年近くが過ぎ
ました。
住まいも転々とし、結婚もあり、リストラ騒ぎ・・
今の家に来てまたホトトギスが聞こえます。
『ほろ酔ひの耳疑はすほととぎす』
広島に戻った頃を思い出しました。
○
杜鵑はたぶん今年も戻ってくるでしょう。
昔を思わせる相変わらずの調子、沁み入る声。
『昔からあの山で啼く時鳥』
酔って聞くと少しつらいかなあ。
○
最後に名歌をもう一つ。藤原良經です。
『うちしめり菖蒲(あやめ)ぞかをる
ほととぎす鳴くや五月の雨の夕暮』
『ほととぎす そのかみ山の旅枕 ほのかたらひし空ぞわすれぬ』
横書きではたいへん申し訳ないのですが
ブログを縦書きにするすべを知りません。
ソフトを買えばよいのでしょうが。
○
昔からホトトギスは歌に詠まれます。
名歌も数々あります。
季節感だけでなく、恋愛の強さをイメージさせる
だけでもなく、遠山からのあの声は
時間の遠さも思わせるのでしょう。
上記、式子内親王もそうです。
昔のことゆえ、あわくなりゆく、けれども鮮やかに
あのときのこと、決して忘れない・・・
○
桜を詠むのが難しいようにホトトギスも難しい。
『ほろ酔ひの耳疑はすほととぎす』
『昔からあの山で啼く時鳥』
上の句は誰の作なんだか、噴飯モノですな。
○
1980年代初め、ついに会社を辞めることにした私は
広島に舞い戻りました。
母の家は市の郊外、団地の小さな平屋建て。
私のいない間にローンを組んで購入していたのです。
そこへ三十過ぎの息子が転がりこんだ。。
五月丘という団地に峠を越えてゆくには、どんな山奥
にゆくかというほどの細い山道です。
田舎というより山という感じ、猪くんや蛇さんと共同
の団地でしたね。
借りてきたネコ状態も、母が寝て、一人しばしの酒に
酔い、本などを読んでいると落ち着きます。
山すその田から蛙の大合唱も上ってきました。
真っ暗な外に目を移していますと夜なのに鳥の啼き声
がします。
しみじみ田舎に帰ったなあ、と思いました
まだ若かったから都会に未練があったのでしょう。
○
暫くして鳥の声のCDを買いました。
小中学生に国語に出る鳥の声を聞かせるためです。
安月給で少し躊躇しましたが。
私も勉強になりました。
あれがホトトギスだったのです。
ラジオなどでも聞いており覚えていなければならない
筈でしたが、生徒に文化を説きながら、この程度で
あったワケです。
CDやラジオで聞くのと実際に鳥を聞くのとでは
「しみじみ感」がずいぶん違うものでもあります。
○
あれからいろいろなことがあり、三十年近くが過ぎ
ました。
住まいも転々とし、結婚もあり、リストラ騒ぎ・・
今の家に来てまたホトトギスが聞こえます。
『ほろ酔ひの耳疑はすほととぎす』
広島に戻った頃を思い出しました。
○
杜鵑はたぶん今年も戻ってくるでしょう。
昔を思わせる相変わらずの調子、沁み入る声。
『昔からあの山で啼く時鳥』
酔って聞くと少しつらいかなあ。
○
最後に名歌をもう一つ。藤原良經です。
『うちしめり菖蒲(あやめ)ぞかをる
ほととぎす鳴くや五月の雨の夕暮』