映画は「時代の缶詰」と言われます。
映画が制作されている時代を如実に繁栄するからです。
缶詰にも、素材缶から調理されたものの缶詰まであります。
映画だって、その時代の「現代」を描くものから
その時代に思う「江戸時代」のチャンバラまで様々です。
○
黒澤の『七人の侍』が、この現代では作れません。
あの時代でなくては出来なかった。
第二次大戦の記憶が生きていたから
あの迫力が生まれたのです。
○
私は最近、時間があれば成瀬の映画を見ます。
手堅い監督ですから安心して画面に向かえますね。
もう画面に向かって怒るのは疲れました。
「現代劇」が多いし。
「そうそう、昭和30年代の前半はこうだった」などと
ノスタルジーに浸れます。
後ろ向きな人生・・・・・
○
成瀬ばかりでは飽きがきます。
家にあるストックもそう多くはありません。
先日は小津映画にしました。
何と言っても日本映画古今の筆頭です。
別格と言ってもよろしい。
有名なものは避けて、印象が薄い『秋日和』に
しました。
晩年の有名な作品です。
人もいない廊下の片隅、誰もいない部屋の壁・・
すべての画面が完璧に美しいのです。
1秒にも満たないカットが、それ。
しかも決して重たくはありません。
演者もパーフェクトなら、編集も100点。
非の打ちどころがない名人芸の極致。
○
生意気なことを言いますが、私個人は小津の
美意識は、ジツは好きではありません。
中途半端なビルの外壁、何とかならんかい、
ちっとも綺麗じゃないぞ、・・・などとね。
ローアングルもやりすぎだし
抑えた演技も凍りついています。
○
ということなのですが、それでもなお
小津の美的世界の統一感には圧倒されますね。
(やはり小津がナンバーワン)
ずいぶん意志の堅固な人だったようです。
時代を超える、芸術です。
◎
もちろん時代の缶詰、そこから逃れられません。
男はセクハラだらけだし、人々の考えも古いし
ギャグは笑えない、戦後日本の貧しさ・・
それらは見る側の責任として、頭脳で処理すべきことです。
でもね、正直いって、それでも長かった、
タイクツでした。
きっと余りに完成させちゃうと、こうなるんだ。
『凍りつく「美」の一文字や 小津映画』
映画が制作されている時代を如実に繁栄するからです。
缶詰にも、素材缶から調理されたものの缶詰まであります。
映画だって、その時代の「現代」を描くものから
その時代に思う「江戸時代」のチャンバラまで様々です。
○
黒澤の『七人の侍』が、この現代では作れません。
あの時代でなくては出来なかった。
第二次大戦の記憶が生きていたから
あの迫力が生まれたのです。
○
私は最近、時間があれば成瀬の映画を見ます。
手堅い監督ですから安心して画面に向かえますね。
もう画面に向かって怒るのは疲れました。
「現代劇」が多いし。
「そうそう、昭和30年代の前半はこうだった」などと
ノスタルジーに浸れます。
後ろ向きな人生・・・・・
○
成瀬ばかりでは飽きがきます。
家にあるストックもそう多くはありません。
先日は小津映画にしました。
何と言っても日本映画古今の筆頭です。
別格と言ってもよろしい。
有名なものは避けて、印象が薄い『秋日和』に
しました。
晩年の有名な作品です。
人もいない廊下の片隅、誰もいない部屋の壁・・
すべての画面が完璧に美しいのです。
1秒にも満たないカットが、それ。
しかも決して重たくはありません。
演者もパーフェクトなら、編集も100点。
非の打ちどころがない名人芸の極致。
○
生意気なことを言いますが、私個人は小津の
美意識は、ジツは好きではありません。
中途半端なビルの外壁、何とかならんかい、
ちっとも綺麗じゃないぞ、・・・などとね。
ローアングルもやりすぎだし
抑えた演技も凍りついています。
○
ということなのですが、それでもなお
小津の美的世界の統一感には圧倒されますね。
(やはり小津がナンバーワン)
ずいぶん意志の堅固な人だったようです。
時代を超える、芸術です。
◎
もちろん時代の缶詰、そこから逃れられません。
男はセクハラだらけだし、人々の考えも古いし
ギャグは笑えない、戦後日本の貧しさ・・
それらは見る側の責任として、頭脳で処理すべきことです。
でもね、正直いって、それでも長かった、
タイクツでした。
きっと余りに完成させちゃうと、こうなるんだ。
『凍りつく「美」の一文字や 小津映画』