尾道美術館・香月康男展

2011-03-29 13:49:00 | 塾あれこれ
香月康男、生誕100年。
私の父より6歳年上です。
それでシベリア抑留はきつかったでしょう。

現在、山口美術館で彼のシベリア作品の展覧会が
開かれているそうです。
例の、黒い絵たち。


彼の故郷、三隅には香月を記念する美しい美術館があり
瀬戸内に臨むのと同様の柔らかい光があふれています。
ここはお勧め美術館ですね。


この前の日曜日に天寧寺へ墓参りのあと、山を登り
千光寺公園にある尾道美術館まで行きました。
(坂を登るのはもうキツイの何の)

香月の作品展をやっているのです。
シベリアの絵は山口で、それ以外の小さな「もうひとつの
香月の世界」を尾道で、ということでしょうか。

日曜日というのにお客様はまばら。
その分ゆっくりと心行くまで。

もともとこぢんまりとした展示室ですから今回の
作品群は丁度よい空間を与えてもらっているのでしょう。

愛らしい彫刻作品、おもちゃに近いユーモア作品
明るい色遣いの絵など。

黒いシベリアだけではない、現代美術でありながら
それに流されていない、アルチザン香月。
(悪口でなく、芸術家ぶらないという意味で)

この面があってこそのシベリアの迫力なのでしょう。


千光寺公園はほとんどの桜はツボミで風が冷たかった。
それでも、お弁当を遣う人もおられました。

昔の、お花見の様子が思い浮かびます。

カミサンも子供のころ家族と千光寺の花見に来たとか。

亡き母にカラカワれる一つ話が、幼稚園に上がる前
この公園に花見に来た時のこと。

弁当を食べている処へ大きな犬がきた。
「これ上げるから、あっち行ってね」

それじゃあ犬はますます近寄ってきます。
「もうひとつ上げるから、あっち行くんよ」

いくら挙げてもあっちに行ってくれない・・

可愛いというより、情けない・・かもね。


写真は尾道、観光ルートから外れたほうの道。
(昔はこちらがメインの道でした)

お二人、じっと尾道水道や向島を眺めておられました。
光まぶしく。