まどみちお百歳

2010-01-05 11:29:47 | SONGS
NHKTVで百歳のまどさんを放映されました。

偉大な詩人を(さん)でお呼びするのは失礼かも
しれませんが、なぜか「まど先生」というイメージ
ではないですよね。

当ブログの08年1/11
阪田寛夫さんが書かれた評伝「まどさん」について
簡単な紹介をしています。
(これは名著ですね)


今日はその続き。

テレビに映る百歳のお姿はさすがにお年を召されたと
いう部分もありますが、詩の世界はしっかりとして
おられます。

まどみちおさんのように、削り込む詩を書く場合には
頭を使うことと思います。

創作意欲が枯れる、書くものが無い、・・などという
ことには無関係な世界に生きていらっしゃいます。

生きること=書くこと


一見、誰でも書けそうですよね。

『ぞうさん』
幼稚園の子でも書きそうじゃないですか。

でも、ここまで削るのは至難でしょう。

どこまで書くか、削るか
その見極めが詩人の命です。きっと。

もちろん詩人を成り立たせているのは上記のセンス
だけではなく、語感、言葉の豊かさ、自由な発想
豊かな心、音楽・・などなど

しかし、繰り返しますが
どこまで書くか、削るか、そのセンスは凡人には
分りません。

分っていたら詩人になっちゃう。

絵の世界でも同じですよね。

なぜこれは未完で、これは出来たか、
素人にはさっぱり分りません。

デッサンなんてどれも途中に見えちゃうし。

きっとよく似たことが詩にもあるのです。


まどさんが虹の絵を描いておられました。
単純に明るい色を横に引くだけの絵です。

それを見ていて、小野竹喬の世界に通じるものが
あるように思いました。

方や山口、方や岡山で200kmほどの距離はありますが
いずれも南に瀬戸内海を望んで育っておられます。

山口の訛りが抜けないのも彼の詩の世界と切り離せない
からに違いありません。

いつも明るい世界につつまれて、ひとりぽっちの。