冬の鳥沼を抑へて降りにけり ひよどり 一平
私ごときが、「矜恃」と力んでみたところで、本当かどうかを疑われるがオチ。
「麻雀に負けたからって、泣き言は言わねーヨ」
とか、
「癌の精密検査をされた程度で、すぐに死ぬワケじゃないサ」
といった程度のこと。
「矜恃」と言うより、「やせ我慢」かなァ。
裸木の矜恃は無言こそよけれ ひよどり 一平
自問自答にも、いろいろなものがありそう。
悩みの深みに嵌まっての自問自答ともなると、なかなか抜け出せないもの。
葉牡丹の底ひの自問自答かな ひよどり 一平
1月1日~1月16日に投稿した俳句
1月8日 松過や絵馬の賑はいなほ盛ん
1月10日 寒林にゐて脹るるは耳ふたつ
1月11日 とある日の病む身に優し冬の薔薇
1月13日 残り世に思ひ幾つか竜の玉
1月15日 美丈夫は似合わずふくら雀かな
1月16日 葉牡丹の底ひの自問自答かな
「イケメン」という言葉はキライだ。いかにも軽佻浮薄ではないか。
いえ、決して、イケメンと言われている男性たちを嫌っているわけではない。
ちょいと見のいい若い男性を、「あら、イケメンねえ」などと喉を鳴らしながら言う社会風潮がイヤなのだ。
ヤッカミではないかという指摘は受けてもいい。「絶対にそんなことはない」と言い切ってみても意味はない。
ある公共放送の中堅女性アナが、出演者(タレントだったかな?)を紹介する段で、「イケメンですね」と声を掛けた。
それまで私は、その女性アナを評価していたのだが、その一声で即座に熱が冷めた。
イケメンは「いけてる面」から発した言葉らしい。内面の素晴らしさをも讃えている言葉ではなさそうだ。
映画が盛んだった昭和には、「二枚目」や「ハンサム」という言葉があった。語源がしかりしていただけに、安心して使える言葉だ。
それ以前、「美丈夫」という言葉があった。その使用例をさほど知ってはいない。
美丈夫は似合はずふくら雀かな ひよどり 一平
この歳になり、何年あるか何日あるか分からない残り世に、まだまだ思いは残っている。
バイタリティと言えば格好いいが、まァ言うなれば未練のようなもの。
宇宙旅行や世界一周なんぞ、叶うはずもないし、もとより望んでいない。
ノーベル文学賞は遠慮するとして、芥川賞なら貰ってやってもいいと思っているのだが、作品を一行も書いていないのだから、これは所詮夢のまた夢。笑い話にもならない。
酒をタラフク呑みたいという望みはあったが、そいつも今は捨てた。
熱々のラーメンを啜るのも諦めた。
じゃァ、女性問題かって?
ふっふっ、そんなこと、ご自分の胸に訊いてごらんなさいよ。
残り世に思ひ幾つか竜の玉 ひよどり 一平