現役として生活している間、弱気な言葉は禁句でした。
「しまった!」 と思っても、平然としていなければならない場面が、多々ありました。
胸中に不安がよぎっても、強気で押し通していたところがありましたね。
(もちろん、職場の場合、信頼できる人々との関係は別問題でしたよ)
職場においても家庭にあっても、ほとんどそのような姿勢だったのではなかったでしょうか。
今にして思えば、かなりのやせ我慢をしていたのですね。
きっとストレスが溜まったはず。当然のことながら、周囲にも迷惑をかけていたことでしょう。
現職を退いてから、僅かずつ変化してきたように思います。
いや、現職を退いたからということもありますが、むしろ、老化とのかかわりがあるのかも知れませんね。
この頃、つらい時には、「つらい!」と言ってもいいと思っています。
もちろん、老いたりと言えども、まだまだ一家の柱でいなければなりません。男のメンツもありますしネ。
弱音ばかりを吐いていては、家族を不安に陥れてしまいます。
友人関係にも齟齬をきたすかも知れません。
そこのところが少しばかりむずかしいのです。
家族に不安がられたり、友人の信頼関係が損なわれては、モトもコもありません。
いまだに一家の大黒柱を気取っている私にとって、結構むずかしい問題なのです。
どんなに病弱な私でも、必要以上に不安がられたくないのです。
その点、カミさんや娘に対してよりも、息子に対してのほうが弱音を吐きやすい。
男親と息子の関係って、いつかそのようになり、やがて逆転するのでしょうか。
寒鯉に弱きの虫を見詰めらる ひよどり