春めきて無粋なビルの華やげり ひよどり 一平
(はるめきてぶすいなびるのはなやげり)
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私の部屋は片付かない。
時間を掛ければ、それなりに片付くのだが、直ぐに元に戻ってしまう。
つまり、やや強引な言い方をすれば、片付けても元に戻ってしまうのだから、時間をかけて片付ける意味がない。
元に戻るまでの時間は綺麗になっているので、多少は快適。しかし、直ぐに乱雑に戻ってしまうことを考えると、「片付けた労力は無駄だったのか?」という疑問も湧いてしまう。
今やカミさんは私の部屋に関心がなく覗きもしない。
私以外で部屋に出入りするのは、たまにやって来る孫娘だけ。孫娘は自分の部屋の如くに振る舞い、自分の方式で片付けてしまう。鉛筆、消しゴム、時には老眼鏡まで片付けてしまうのだ。
そこに私の至福の時間がある。