タイトル----志を白刃に降さず。第1972号 26.05.21(水)
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志を白刃に降さず。『魏志』
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白刃をもって迫ってきても、そのためにわが志を降ろすことはない。威武に屈しないこと。
頁681
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【コメント】
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出来るだけ刃傷沙汰はしない方がいいと思います。
私が青年時代のことです。電話局に努めながら、父の名義で深夜の電報配達をしたり、ラーメン屋の経理や出前をしたりと、働いてきました。父が営業していた鰹節製造工場が倒産し、借金返済をしなければならなかったからです。
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働きづめでなんで俺だけがと思ったりもしたものです。そこで少しは楽しみもなければとダンス仲間の先輩の所にも行き、社交ダンスをしたりしました。そして空手道も。そういう側面が派手に見えたのでしょう。
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チンピラに毛が生えたような青年が二人で、夜半、私を呼びにきました。何も知らない私は、二階にあがりませんか、と言ってお誘いし、音楽を聞かせたりお酒を提供しました。ところが一時間位してから、その二人が静坐をして、手をついて謝りました。
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実は貴方をドスで刺すつもりでやってきたのです。ところが貴方は、心の優しい親切な方でした。私たちが世評を聞いて、誤解していたようです、と謝りました。ま、いいじゃありませんか、と言ってそれ以来もお付き合いをしたものです。
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仮に相手が白刃を持ってきても親切に対応すれば喧嘩にはならないということです。これに類したことが五回位はあったように思います。
要は親切心を捧げ尽くすということです。
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ある月刊誌を買いました。心に留まった一言がありました。
〈今世の中がケジメがなくだらしないのは、やはりあの戦後民主主義教育の所為だと思うけど。先ず自らの手で獲得した訳ではない「自由」を勘違いしてしまった事だろう。
後年息子の卒業式真最中、日の丸を引きずり降ろし国歌斉唱では揃って列から退席する先生方を目の当たりにして愕然とした事がある。
尖閣諸島は中国から盗んだと言われても仕方がない、友愛の海、などと寝呆けた事を言い相手国の立場に立ち過ぎ、譲り過ぎ、気を遣いすぎる対応が却ってその後の国家間を悪くした人が居ました。あの人こそ「保守革新右左」どこに入るのですか?
ああ「害人」ですか。〉---------伊東四朗氏著-----------
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『天保おすわり事件』(第28回)
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十 三
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果然、問責の火の手は、八方にあがった。
大廣間外様方代表の名を以て、真先に提出された抗議書に左の意味の事が認められてゐる。
「私共所領の城地は、家々の格式、又は先祖の勲功によりて拝領したものである。然る
に、近年、諸大名の中に、御老中御出頭に内々運動を試み、他人の領地を勝手に拝領する
輩があって、まことに迷惑する。お上では何のために、そのやうな衣估の沙汰をなさるのか
伺ひたい。最近酒井左衛門尉殿が、越後に轉封を命ぜられたのも同様の御処置と承る。徳
川家四天王の内でも、酒井家は特別の家柄である。それを、何の理由なく動かされるという
事は,神祖の思召をないがしろにする怪しからん儀と存ずる。もし上の御一存だとすれば、
御大老御老中方でなぜ御諌止なさらないのか、御内意を伺ひたい。」
単刀直入、痛快な處をつっこんでゐる。
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