味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

志を白刃に降さず。

2014-05-21 16:34:59 | ブログ

タイトル----志を白刃に降さず。第1972号 26.05.21(水)

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 志を白刃に降さず。『魏志』

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 白刃をもって迫ってきても、そのためにわが志を降ろすことはない。威武に屈しないこと。

     頁681

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 【コメント】

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 出来るだけ刃傷沙汰はしない方がいいと思います。

 私が青年時代のことです。電話局に努めながら、父の名義で深夜の電報配達をしたり、ラーメン屋の経理や出前をしたりと、働いてきました。父が営業していた鰹節製造工場が倒産し、借金返済をしなければならなかったからです。

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 働きづめでなんで俺だけがと思ったりもしたものです。そこで少しは楽しみもなければとダンス仲間の先輩の所にも行き、社交ダンスをしたりしました。そして空手道も。そういう側面が派手に見えたのでしょう。

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 チンピラに毛が生えたような青年が二人で、夜半、私を呼びにきました。何も知らない私は、二階にあがりませんか、と言ってお誘いし、音楽を聞かせたりお酒を提供しました。ところが一時間位してから、その二人が静坐をして、手をついて謝りました。

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 実は貴方をドスで刺すつもりでやってきたのです。ところが貴方は、心の優しい親切な方でした。私たちが世評を聞いて、誤解していたようです、と謝りました。ま、いいじゃありませんか、と言ってそれ以来もお付き合いをしたものです。

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 仮に相手が白刃を持ってきても親切に対応すれば喧嘩にはならないということです。これに類したことが五回位はあったように思います。

 要は親切心を捧げ尽くすということです。

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 ある月刊誌を買いました。心に留まった一言がありました。

〈今世の中がケジメがなくだらしないのは、やはりあの戦後民主主義教育の所為だと思うけど。先ず自らの手で獲得した訳ではない「自由」を勘違いしてしまった事だろう。

 後年息子の卒業式真最中、日の丸を引きずり降ろし国歌斉唱では揃って列から退席する先生方を目の当たりにして愕然とした事がある。

 尖閣諸島は中国から盗んだと言われても仕方がない、友愛の海、などと寝呆けた事を言い相手国の立場に立ち過ぎ、譲り過ぎ、気を遣いすぎる対応が却ってその後の国家間を悪くした人が居ました。あの人こそ「保守革新右左」どこに入るのですか?

 ああ「害人」ですか。〉---------伊東四朗氏著-----------

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 『天保おすわり事件』(第28回)

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  十 三

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 果然、問責の火の手は、八方にあがった。

 大廣間外様方代表の名を以て、真先に提出された抗議書に左の意味の事が認められてゐる。

  「私共所領の城地は、家々の格式、又は先祖の勲功によりて拝領したものである。然る

 に、近年、諸大名の中に、御老中御出頭に内々運動を試み、他人の領地を勝手に拝領する

 輩があって、まことに迷惑する。お上では何のために、そのやうな衣估の沙汰をなさるのか

 伺ひたい。最近酒井左衛門尉殿が、越後に轉封を命ぜられたのも同様の御処置と承る。徳

 川家四天王の内でも、酒井家は特別の家柄である。それを、何の理由なく動かされるという

 事は,神祖の思召をないがしろにする怪しからん儀と存ずる。もし上の御一存だとすれば、

 御大老御老中方でなぜ御諌止なさらないのか、御内意を伺ひたい。」

単刀直入、痛快な處をつっこんでゐる。

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君子は中庸をす。

2014-05-20 09:45:46 | ブログ

タイトル----君子は中庸をす。第1971号 26.05.20(火)

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 君子は中庸をす。小人は中庸に反す。『中庸』

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 君子は中庸の行いをし、小人は中庸に反する行いをする。中庸を行うか、行わないかが、君子、小人のけじめをなす。(孔子のことば)

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【コメント】

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 物事をなすためには、とにかく人様の意見も聞き、反社会的な暴走は慎んだ方がいいと思います。

 私はかねがね、教育性があるか、道徳性があるか、反社会的でないかを思考して物事を進めた方がいいと思います、と子どもたちに話しています。

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 昨夜は小学一年の礼弥君が稽古にきました。私の手が届くところまできなさい、といってお話しました。

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 礼弥君のホッペタに手をやり、「打たれ強い人」になってください。とお話しました。人が何をいおうが気にしない、自分の人生を堂々と歩いてくださいと。

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 学校の下駄箱のクツを隠されて、「ウザイ、死ね」という紙があったとして、自殺する子どもがいます。これほど馬鹿げたことはないでしょう。そういう風に自殺をするために生れてきたのではないのですよ、とお話しました。隣で母上様が聞いていて頷いていました。

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 他人様に暴言を吐かず、悪口を言わず、良い言葉遣いをして、勤勉であり、勤労意欲が旺盛であり、自分で堂々と闊歩する人間であって欲しいのです。

 何故、学校の先生方はそういうお手本を示さないのでしょう。労働運動よりか、こちらの方が大事なのです。

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 『天保おすわり事件』(第27回)

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「これは、此の場限りのお話であるが、水戸様は御三家の筆頭、副将軍のお家柄なれば、何とも手のつけられようもないが、三河以来の御譜代、奥羽のおさへとして、外藩鎮護の重責を負うてゐる酒井家が、水戸家の尻馬にのって、勤王沙汰は心外千萬だ。獅子身中の虫とは酒井家の事だ。今の中に小ッぴどくやっつけて置かないと、幕府の威信にかかはります。そこで思ひついたのが今度の轉封でござる。-----------方々御異存あるまいな。」

理由はどうにでもつく。老中会議で、水野は、どこまでもそれを表面の理由としたに違ひない。さもなければ、後で、諸侯から詰問的抗議を申込まれた時、立派に言開きができた筈だ。それが出来なかったところに、水野の弱点があったのである。いかな水野でも、勤皇をいひがかりに、譜代の酒井家を云々する事はできないからだ。それを御無理御尤もで通した大老、老中の無見識も、沙汰のかぎりといはねばならぬ。

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悪の来るや、己れ則ち之れを取る。

2014-05-19 14:06:55 | ブログ

タイトル----悪の来るや、己れ則ち之れを取る。第1970号 26.05.19(月)

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 悪の来るや、己れ則ち之れを取る。『春秋左氏伝』

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 悪いことがやってくるのは、実はおのれ自身の行いが招いたのであって、他人がしたことではない。

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【コメント】

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 上の『春秋左氏伝』が訓戒するとおりであると思います。中村天風師の教えを学修し、まさしくその通りだと思います。

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 75年間生きてきて、上の左伝の訓戒と中村天風師の訓戒は整合します。だから、日本空手道少林流円心会で修行する子どもたちには、前向きに生きることと、人様に無礼を働かないようにと話しています。

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 『天保おすわり事件』(第26回)

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   十 二

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 尤も水野に言はせたら、

「苟も天下の老中ともあらうものが、そんなばかな真似ができるか。」と躍起になって弁解するかも知れないが、それなら、なぜそのやうな不当な処置をとったか。何の理由あって、そんな臺命を出したか。」と問ひつめられたら、水野も恐らく返答に困るだらう。

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其の子の賢不肖は、皆天なり。

2014-05-18 12:14:40 | ブログ

タイトル----其の子の賢不肖は、皆天なり。第1969号 26.05.18(日)

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 其の子の賢不肖は、皆天なり。『孟子』

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 子どもの賢、不肖は天のなすところで、しかたがない。堯のような立派な父にも,丹朱のような愚かな子があるように。

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 【コメント】

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 『孟子』が訓えるように、そうです、と答えます。

 昨夜の空手の修行も賑やかでした。その中に特別支援学級の子どもさんもいるのですが、上の『孟子』が言う〈天のなすところ〉であっても、修行によって見違えるように変貌してくるのです。その子どもさんは一年が経過しました。

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 ほかに私が指導してきた人で17年目に入った人もいます。最初の頃は手の指はバラバラで突きをしていたものです。所が部分的には師匠の私よりうまい所があります。漢字は自分から好きで入り込みますが、数字の方は駄目なのです。でも預かった私は、あの手この手で 模索しながら、対応しています。親御様は私が倒れるまで指導してくださいと言っています。

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 こういう指導は学校の先生には無理でしょう。たまにはピシャリ大腿部を叩いて気を入れてあげなければならないこともあるからです。どんなに厳しくしても、稽古にくるということは、師匠は私の為にしてくれているのだ、と理解し、信頼関係があるからなのでしょう。

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 それと、そういう指導をする先生は聖職にならなければならないのです。今の学校の先生方で給料がカットされた分、取り返さなければならないという労働組合的発想では駄目なのです。

 滅私奉公の精神で、決して諦めることなく、金銭を抜きにして深い愛情を捧げ尽くさなければならないのです。私は決して諦めずに、そのようにしています。だから私が指導すれば、見違えるように良い方へ向かうのです。私も、妹がそれに類した心の病にかかったこともあり、心の病の世界がわかるようになったのでした。

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私にメールを下さる方へ、そして理子先生へ

  ひと月ほど前から、私のブログに迷惑メールが入るようになりました。特に最近は50件、100件と入るようになりました。一種の愉快犯なのでしょうけど。

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 その迷惑メールを消すのに必死でした。ところが三日前の14日、OCNに電話をし、専門の川田女史の指導のもとに一時間位かかって操作をし、どうにかできました。お蔭で今は迷惑メールは来なくなりました。

 こういう迷惑メールは一種の犯罪だと思います。だからそういう操作をする人は、遠からず天罰がくるでしょう。

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 理子先生、メールを送信したら、ブログにコメントとして入れて教えてください。

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 『天保おすわり事件』 (第25回)

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 その文章を解剖するに、

「自分が荘内を拝領したいとお願ひしたときには、酒井家は格別の家柄だから、代々、荘内拝領仰せ付けられたもので、他人には絶対にやれないといふ仰せでありましたので、強いてとも申されず、そのまま引き下がりましたところ、今度、承れば、その荘内を酒井家から引きあげ、私の分家同様の大和守、家柄も、私よりずっと劣ってゐる大和守づれに賜ったとの事、一体これはどういふわけあひで御座いませうか。その理由を承りたく存じます。それを承った上で、私にも考えがございます。将軍家特別の思召から出たことか、それとも御老中の御取計ひか、しっかりした御返事をうけたまはりたい。」というのである。

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 老中たちが何と返事したかは、記録がないから判明しないが、まさか、「たとひ貴家の御分家でも、斉典殿の御養子紀五郎殿は大御所様御寵愛の御糸の方のお腹だ。たとひ紀五郎殿夭死あそばされても、そこにはそこがあらうといふものその邊の呼吸が分からん貴殿でもあるまい。野暮な事は言はん方が御得でござらう。」とまでは言はなかったであらうが、越後守が、それ以上抗議を継続したといふ記録がないところを見ると、結局泣き寝入りになったものらしい。

 尤も、ある本には、同時に大和守の本家松平兵部大輔に、二萬石加増されたといふ記録がある。越後守と兵部大輔が同人なら、鼻薬のつもりであったかも知れぬ。

 怖るべきは閨閥の力である。政治は権力だ。その権力を得んがためには、いかなる権謀術数をも、辞しないのが、閨房政治家の常套手段である。水野がその閨閥を利用し一石二鳥の名案として、荘内の酒井家を陥れようとしたのは、決して、不思議とするに足りないのである。

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 短歌の紹介

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奏太郎心晴さまから文もらい 

             有難きかな老いの我が身は 6767 味園語録

離れても思いは心晴奏太郎

             お手紙しばしまちてたもれと 6768 味園語録

(伴)兼之の兄の成信指揮をとり 

             強行突破植木で戦死 6769 『臥牛 菅実秀』

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 昨夜の稽古では、四月一日付で初段を上げた中学二年女子と中学一年男子を含む五人に、私の腹部を力一杯、述べ100本くらい、叩かせました。黒帯の二人の突きはものすごくズシリときました。同級生の子どもたちだったら、内臓破裂をするだろうと思ったことでした。

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 そして帰りには、「朝鍛夕錬」のパンフレットを贈呈しました。勉強をしての偏差値向上も大事ではあるが、まずは、

 ①挨拶ができること。 ②他人に親切であること。 ③仕事に積極的に取り組む

   こと。 

 ④思いやりのある人間になること。 ⑤ずるいことをしないこと。 ⑥ゴミが落ち

  ていたら拾うやさしい心を持つこと。 ⑦漢籍はじめ本を読む事。 

 ⑧贅沢をしないこと。食事も、身の回りの物も。

 特に大事なのであります。


死生命あり、富貴天に在り。

2014-05-17 15:43:24 | ブログ

タイトル----死生命あり、富貴天に在り。第1968号 26.05.17(土)

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 死生命あり、富貴天に在り。『論語』(顔淵)

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 人間の生も死も、はたまた貧富、貴賤も、すべて天命であって、個人がどうすることもできないものだ。

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 【コメント】

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 私がご尊敬申し上げた詩吟道師匠・竹下一雄先生は、御臨終の際、私に対して、「アイガトゴアシタナ・有り難うございました、生死なんぞ疑わん 天の付与なるを」と、大きな声を発して後ろに倒れ旅立ったのでした。この言葉は西郷隆盛の「獄中感有」の漢詩にある言葉です。

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 西郷隆盛も竹下一雄先生も、漢籍の世界を渉猟し、天の理を把握していたのだと思っています。

 だから、いつも、天が見ているのだという厳粛な気持ちで、真面目に日々を過ごすことが大事だと思っています。天風師も同様に説いています。

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 昨夜は礼弥君が稽古にきました。一通り終ってから、母上様も、息子と一緒に空手の型をしました。来る人拒まず去る人追わずの姿勢ですから、いつでも対応するようにしています。

 母上様のイデタチは、ジーパンの足の部分を引きちぎった、今時の若者が着るズボンでした。私がそんなものを着ようものなら、あのジーサンがほけたと言われるでしょう。

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 どんな人にも、あまねく公平に、親切に、出し惜しみせず、誠心誠意対応することが健康の秘訣なのです。そう、断言します。私はそのようしています。

 私が日本舞踊を習った最初の師匠は、金をとりまくる人でした。だから、私はその逆を履行しているのです。そういう生き方に天は味方すると老人の私は悟っているのです。

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 『天保おすわり事件』(第24回)

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 「羽州荘内城の儀は、先年より酒井家拝領也。然るところ、松平越後守御仰せたてられ、荘内拝領なされたく、御公儀表、御奥向へ御内領仰せ上げられ候。しかる所(中略)酒井家の儀は、格別の思召御座候うて、信州松代城より荘内拝領に御座候へば、内領御座候ふとも、お沙汰相成り申さず候ふ趣お達しにつき、拝領申さず候ふ。

 然るところ、承知いたし候ふには、私同姓松平大和守殿、御内領のところ、羽州荘内領下し置かれ候ふ趣、大和守使者を以て申達し候ふに付、お伺ひお沙汰申上げ候ふ。

 私の家は、大和守殿の本家同様御座候ふ也。先年、三河守願上げ奉り候ふ節は、酒井家代々拝領の趣をもって下されず、今度大和守殿拝領の儀は、御老中方お沙汰を以て下し置かれ候ふや、又は格別の思召を以て仰せ出され候ふや、越後守承知仕りたく、その上にて公儀へ仰せ上げられ方御座候ふに付、何卒よろしきやう、御用番様へ早々御仰せ上げ下され候ふやう、書付を以て仰せ入れられ候ふ條、如此に御座候ふ」

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 短歌の紹介

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榊原人吉盆地戦闘で 

            咽喉に重傷延岡で死す 6765 『臥牛 菅実秀』

政府軍荘内人士参加せり

           忠篤内意受け陸軍へ行く 6766 『臥牛 菅実秀』