タイトル----道は二つ、仁と不仁とのみ。第1965号 26.05.14(水)
.
道は二つ、仁と不仁とのみ。『孟子』
.
世の中に道は二つしかない。仁であるか、さもなければ不仁である。(孔子のことば)
.
【コメント】
.
仁と不仁のほかに無関心もあると思います。『南洲翁遺訓』に云う十に七八は小人なればということです。でも、不仁よりか無関心がいいのではないでしょうか。性質が悪くないからです。
.
-----------------------
.
『天保おすわり事件』 (第21回)
.
忠徳公も、文政五年と天保八年と二度、京都に参向、拝謁を賜ってゐる。その都度、多額の金帛を献納されてゐる事は、記録に明記してあるが、記録にのらない事実として、古老の間に傳へられる所によれば、藩公が御参内の時には、必ず黄金を錦の袋におさめ、それを装束の下にかくして御持参、おいとまを賜って御前を退出する時、わざとそれを、お席にのこしてお帰りになった。おかみでは、酒井侯のお忘れ物として、御嘉納になったといふ事である。まだある。酒井家が、常に皇室の式微をなげいて、供御のおたしにもと、ひそかに献上したお米は、どれだけあるか知れないといはれている。三百諸侯が、ひたすら幕府の鼻息のみを伺って、皇室の御窮状を見て見ぬふりをしてゐる中に、老中共の忌韡をもおそれず、勤王の誠意を披歴遊ばされた酒井家御歴代の忠誠は、特筆大書されてよい事実だと思ふ。
.
-------------------------------