タイトル----恩を推して理ならざれば、仁を成さず。第1973号 26.05.22(木)
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恩を推して理ならざれば、仁を成さず。『荀子』
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恩義をほどこしても、そのやり方が道理にかなっていなければ、決して仁愛にはならない。
たとえば、人に金品を恵むことは仁愛の行為であるが、まかりまちがうと、かえってその人を誤らせることになる。
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【コメント】
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『荀子』は上のように教えているが、恵む行為も程度問題なのです。昨日のブログにも書きましたが、誠心誠意対応すれば大方は理解してくれると信じています。
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『天保おすわり事件』(第29回)
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同じく閏正月十五日付で、藤堂和泉守からも、左の伺書が出てゐる。
「(前略)北國筋のうち、羽州荘内の城主、諸大名組合のうち、酒井左衛門尉忠勝殿以後、頭
取仰付けられ、お勤めに御座候ふ。然る所此の度、お指替へに相成り候ふ儀は、私共へは
御内達も御座なく、少しも承知仕らず候ふに付、此の段お沙汰申上げ候ふ。
元和年内、恐れながら御三代目公方様御判にて、酒井左衛門尉家、代々御勤めに御座候
ふは、何やうの御沙汰に御座候ふや、私共承知仕りたく、伺ひ書を以てお沙汰申上げ候
ふ。」
いよいよ出でていよいよ辛辣だ。之を讀んだ水野の苦りきった顔が見えるやうだ。
それに對して、老中から何と返事したかは、記録の徴すべきものがないから判明しないが、その都度、矢面にたたされる水野の苦しい立場は、自業自得といひながら聊か氣の毒の感がないでもない。 (頁一八)
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