タイトル----日々に孜々せんことを思う。第1975号 26.05.24(土)
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日々に孜々(しし)せんことを思う。『書経』
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自分は毎日毎日ただ一所懸命やろうと考えている。(兎が舜にいったことば)
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【コメント】
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兎が舜に言ったというが、私は天にそのように言っていまか。今日も一所懸命やります、と。
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『天保おすわり事件』(第31回)
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十 四
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併し、そんな事は、荘内のお百姓にとりては、どうでもいい問題だ。公方様の腹から出ようが、老中水野越前守の小細工であらうが、そんな事は問題ではないのだ彼等お百姓は、ただ一筋に、殿様にはなれるに忍びないのである。こんな有難いお殿様にお別れするくらゐなら死んだ方がましだと、思ひこんでゐるのである。その日的を達せんがためには、磔刑、水牢、獄門も承知で、御法度の直訴でも何でもやらうといふのである。彼等は、ただ二百年來、海山の御厚恩を蒙った御主家の大事、一つには、自分等の死活問題だと思って、全く生命がけでたちあがったのである。
むろん、彼らの間には、お百姓を食ひ物にする労働ブローカーも居なければ、ごまのはい見たいな利権屋も介在しなかった。
彼らの運動は、實に真剣そのものであった。生命も財産もなげ出して、ひたすら殿様のおすわり、お國替へ中止の祈願に一致し、熱中したのである。
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