ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

第25回日本山岳耐久レース

2017年10月13日 | 大会レポート



数日前から、早くスタートしてしまわないかと心待ちした今年のハセツネ。
結局7月終わりのプチ故障と夏場の体調不良があって、たった1ヶ月しか準備期間がなかった割りには、やれることはやった感に満たされていて。
そうしてここ数年決して見られなかったようなハリ天的にはかなり周到な事前準備。何をどうするとこうなるのかと自分でもちょっと不思議な感覚で迎えた当日。とても19回目の朝とは思えない。

▇プロローグ
暑い。yahushigeさんが用意して下さったいつもの小学校体育館の定位置へと向かうや否や汗がボタボタと流れ落ちる。ボタボタと汗を垂れ流しているのは自分だけだ。スタート前にまずい!ってことで即外へ避難。

12時に青ト部集合写真の後にすぐにスタートエリアへ。


一緒になった友人達と話をしているので気は紛れているが暑い。スタートまでの小一時間、ここが1番の試練の場だったかも。



▇〜第一関門(浅間峠)3:47:01(379位)
落ち着いてスタート。

【Photo by Yukinee】

廣徳寺先のシングルトラックで最近定番の渋滞。こればかりはどうしようもない。

【Photo by Kaochin】
ここで一緒になったGOさんと以後第一関門の浅間峠まで行くことになった。


【Photo by Tetta】
やれることはやったとは言うものの、やはり長い距離を走っていないので万全の自信があるわけではない。暑くてすでにびっしょりの大汗をかいている。こんな時はやはり痙攣が一番の心配だ。心拍が絶対に160を超えないようにとそればかりをチェックしながら走る。
前の選手を抜くのも後ろから迫る選手に先を譲るのも完全に自分のペース。ピタリと張り付いているGOさんの息づかいに後押しされながら淡々と進む序盤戦。それにしても時間の経つのが遅く感じる。
7km付近入山峠でまずは大勢の友人から大声援を受けピリリと。

【Photo by Hashimo】

妻が率いる応援団、今年は15km手前の醍醐丸。山の中とは思えない突然の華やかな雰囲気を全身に浴びて気分転換。


軍刀利神社の急登もクリアして浅間峠へと。
3時間半くらいとみていた第一関門だったけどなんと17分オーバー。これもどうなんだろう。ほとんど練習出来なかった年より遅いのだ。青梅トレラン部の仲間や友人達から盛大な声援を受けながらも頭の中はちょっと複雑。普通に走っていたつもりだけど、普通のレベルがだいぶ落ちているのかどうなのか。

▇〜第2関門(月夜見第2駐車場)7:38:10(286位)
ここより新兵器のポールを使える。取り出すためにいつもは給水時しかおろさないinoxをおろしてGOさんには先に行ってもらった。1人になると途端に進み具合がガクンと落ちる。ここからペースを上げていこうという目論見は全く果たせそうもない感覚に戸惑う。ダメなのかなと不安がよぎる。
ナイスアイデアだと自負したポールにつけたストッパーの調子もイマイチで1人テンション下がり気味。次々抜かれる一方。
これじゃいかんと気を取り直し、とにかくゆっくりでも走り続けようって。最初の稼ぎ所であまり稼げないまま徐々に高度を上げていく。先が思いやられるなぁと思ったところで三頭山への本格的な登りが始まった。
ポールをしっかり使って上る。時折内ももが痙攣に見舞われるけど、ポールに体重をかけて足を休ませることが出来るというのはものすごい武器だ。後ろの選手は徐々に離れていく。あれ?ペースが定まりぐいぐいと進むようになった。きついけど何も考えずにひたすら上る。
結局1人も抜かれず抜く一方で三頭山山頂だ。総合時間的にはやれやれようやく三頭山だったが、三頭山の上りだけを思うとあっという間の三頭山だ。この地点での自分の状態がハセツネの善し悪しを判断するいい材料なのだけど、、、。今年は実際のタイムと感覚のズレがあってちょっと複雑。
だいぶ涼しくなっているし、ガスってるし、おや雨も降ってるのか。
三頭山から一気に下る。スリッピーになっているので気は抜けない。派手に転倒する選手もいる。
鞘口峠からの登り返しはきついけど、ここもまずは完全に頭の中を空っぽにする。そう「無になって」手足を動かす。平らになれば走る。ペースは上がってきた。周遊道路に出てからはさらにスピードアップ。最大のライバルというかターゲットの大阪の生駒山賊さん(60代5連覇中)がいたような、確認しようと思ったけどガスでよくわからないしせっかくペースが上がってきていたのでここはとにかく走れ!
第2関門・月夜見第2駐車場到着。500mlの水をソフトフラスクに1.5lのスポドリをハイドレに。


ボラの丹下さんの声援に(写真もありがと)かなり励まされる。少しゆっくりしようという気を捨てて押し出されるように即スタート。

▇〜第3関門(長尾平)11:05:52(226位)
小河内峠のベンチで給水した水にメダリスト投入。補給用にせっかく作ってもらった特製シリアルバーや羊羹は飲み込むのに苦労するようになっていたのでジェルに切り替える。
ガスがかなり出ていてもう10年使っている古いヘッドランプ2つ(頭と腹)はあまり力を発揮出来ていない。すぐに「ここはどこだ?」状態になる。ふと道を外れたりもしている。下りはハンドライトを使わないと不安。新投入のポールをその度に持ち替える動作がまどろっこしい。にわかポーラー丸出し。
と、イライラしてちゃいかんとさらにさらに何も考えないよう目の前のガスと頭の中を白で同期し、自分的にはコース中最難関の御前山をクリア。ほんの少しだけベンチで休憩。頂上スタッフと会話を交わしていると少し気が紛れて元気充填。
御前山をクリアすれば気分的にはものすごい楽なのだ。
下った大ダワからはもう一踏ん張りだ。大岳山の上りが始まるまでは稼ぎ所なので、前半へたれた分ぐらいは取り戻そう。とにかくリズムを作れ!だ。
大岳山の上りの岩場は結構滑ったけど、ここでもしっかりポールが体を押し上げてくれた。ホント助かった。
大岳頂上では結構な数の選手が休息中。一気に通過。もう家に帰ってきた気分で御岳へと向かう。
ガスは相変わらずで視界は悪く油断出来ない。綾広の滝の上の水場で500ml一気飲み。さらに500ml補給しておく。冷たい水が喉を通ってリフレッシュ感は絶大。
やがて第3関門の長尾平。女将さん達の大声援に相当後押しされて元気に通過。あらかじめ用意しておいた「長尾平通過!」のLINEを妻に送信。

▇〜ゴール 12:50:00(223位)
日の出山までも速くはないがしっかり走る。さぁ最後の上り。頂上直下で青梅トレラン部の仲間の応援が嬉しい。

【Photo by Tetta】

最終点火だ。日の出山からはあと約10kmといったところ。頑張れ。
淡々と走り続け、抜くし抜かれるし。とにかく黙って走ればゴールは確実に近づいてくる。いやぁ、長かった。ハセツネってきつかったんだ。我に返るように思い出す感覚だ。
やがて五日市の街の灯りが飛び込んできて、妻にもうじきだよのコール。
しっかり走って最後の曲がり角。初めて参加したのが44歳の時、あの時はとにかく全てが初めてであそこを曲がるまでゴールがいつ訪れるのかを知らなかった。それから数えること19回。
あの最後の角を曲がる瞬間のキューンと迫り来る開放感と喜びだけはずっと変わらない。
いつものように妻を始め、年を追う毎に増えつつある仲間や友人達に迎えてもらって12時間50分ちょうど、午前1時50分、19回目のハセツネが終わった。
※完走1729名/出走2332名(完走率74.1%)


【醍醐丸前から続いたnaoさんの追撃をなんとかかわしたのだ!けど2人とも腰が曲がってる(^^ゞ】 

緑風堂鍼灸院WEBSITE
ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

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