ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

UTMFレポ_その4

2012年05月26日 | 大会レポート



【A7~A8・西富士中学校】
25km/4:46:40(177位)10:09am(予定は10:30)

子どもの国の園内から青空にそびえる富士山を眺め、森と森の間からでっかい頂上を仰ぎつつ林道を下る。
 
一緒に出発したこっしーとけっこういいリズムが出来て快調そのもの。たっぷりの休息と栄養補充のなせる技だな。
 

ずっとこんな風に走りやすくてご機嫌かと思っていたら、あに図らんや。鉄塔が見え出した。鉄塔好きだけどずっと先まで続いている。


その鉄塔の下をうねるような道が走っている。プラスチック階段が置かれていて、ほんの50mずつくらいがくんと下ってガツンと上る。この繰り返し。太陽は段々高くなってきて、あの夜の涼しさとは対照的に・・・暑い、暑い、暑い。エスパ糸さんとかとよっちさんとかイタキチさんとか。
何だかんだ走っていたら北山ウォーターエイド到着。ここは水オンリー。ひとまず横になって足上げ&ハリマネメール通信。iPhoneはこちらから通信したら一方的に電源を落としておく。GarminとiPhoneと両方の充電用意はしてこなかったからね。みんな水の補充をしたらさっさと出て行ってしまった。その頃届いていたハリマネメール速報によれば・・・なおさんが日本人トップ!で総合3位、YAMAYAさんも7位という情報が。もうゴールした結果かと勘違いしていたのだけど、そりゃぁ大興奮。周りの見ず知らずの選手も捕まえて大変だぁ、大変だぁと大騒ぎになっていた。
ずっと一緒だったこっしーともずいぶん差がついてしまったけど、一人になったらなったでまたリズムが出てきて淡々と何も考えずに前を追う。ちょっとだけ頑張っていたら一人ずつ背中が近づいて来て結局こっしーにも追いついた。富士山もどんと見えるようになって、いよいよ西富士中学校も近い。食事が出来るエイドの間隔が子どもの国から約25kmとあいたのでことさら楽しみ。
 
ウォーターエイドですぐに出発してしまったイタキチさんの姿が見えそうでなかなか見えない。ロードへ出て遙か前方に発見。
残り距離から追いつくのはちょっと無理かとも思ったけどこっしーと暗黙の了解で追いかけてみた、ら、ぐんぐんとその背中が迫り、エイドまであと1kmという地点で捕まえる。別に競り合いするする必要ないのだけど、ちょっと遊びでレース感覚を。抜く時は一気に、が鉄則だからさらに加速。そして木立のトレイルに再突入したところで後方でワーワー言っているので、あきらめの境地を呼び起こさせるようにさらにさらにスパート。力の無駄使い。
女性相手に大の男2人が何をやっているんだか。でもこれが本当の競り合いレースだったら(UTMFだってレースなのにね)ラスト1kmで逆転って絶好の展開だ。後は二人のマッチレースか!いやいやハリ天さんに譲りますよ。一応年長者だし。そうかぁ、意外とわかってるじゃん、な~んて会話を交わしながらいよいよエイドまで数百メートルの直線。おぉ、ハリマネがちゃんと手を振って待っていてくれる。こっしーは律儀にちょっと後ろになんて下がるものだから、思わずちょいちょいって誘ってみたり。結局、ラスト100mのヨーイドン。
 
けど、相手は若くて5000m16分台の記録を持っているこっしーだ。わずか20mくらいであっさり勝負あり。結果がわかっていても男には挑まなければならない勝負があるのだ!っていう勝負じゃないよ。仮想レース、面白かった。


だけど超無駄遣い。
ここでもA1に続いてササシンさんが両手を挙げて出迎えてくれた。嬉しい。suuさんjunさんともまたまた再会だ。子どもの国で差し入れしてくれたリキちゃんも先回りで待っていてくれた。
中学校の玄関先の日陰に座り込んで一息だ。持ってきてもらったフルーツ缶詰(風。なんて言うんだろ)パクつく。ニシムラさんがまだ滞在していたり、オオウチさんが何故かいたり、マカニ・トモさんがやって来たり、応援のクリスケさんが来てくれたり、下痢から復活の708さんが出発だったりととてもにぎやか。友人達の動向もここで色々仕入れた。富士宮焼きそばをいただく。この102km地点からいよいよコース上最大の難所と言われる天子山塊へと入っていく。エイドもないので水はたっぷり2リットル補給。覚悟の出発だ。38分の滞在。

【A8~A9・本栖湖スポーツセンター】27km/10:04:28(145位)20:14(予定は18:00+α)

こっしーがザックを隣に置いたままトイレに行くと言ってなかなか戻らない。ので、しびれを切らして先に出ることにする。

どうせ後から追いついてくるだろう。簡単な装備チェック。熊鈴、ライト、レインウエア、食料・・・。いよいよ山塊に入るという緊張感が増してくる。試走していないのでみんながいう「相当の覚悟」がのしかかってくる。振り返ると大きな富士山が見えた。行ってきます、だ。
 
トライアスロンのトランジッションを出てバイクからランに変わる時の感覚のよう。気分一新。
畑道、村道、なんかいい空気が流れている。暑いけど。地元の人が素朴なエールを送ってくれる。ありがたい。
ロードを何度も曲がりながらやがて登山道。いよいよだ。
最初の天子ヶ岳まではおよそ3km程で1000m近くガツンと登る。だけど、これはハリ天の修行山・日原の天祖山より楽ちんだ。問題はすでに100km以上を移動してきている足がどうかだ。確かにきつい。登山道へ入るまでは前に人が見えなかったのに、登りに入った途端前方にポツンポツンと選手がいる。どんどん追いつく。いい感じ。みんなしっかり手にはストックだ。う~ん、そりゃぁあった方が楽だよな。周りには適当な枝がゴロゴロ転がっている。まるで拾ってくれと訴えているかのよう。よ~し、長さと太さと曲がり具合を確かめながら4本目にいい感じのが見つかった。天子山塊のお供・ウッドストックだい。ひえぇ~楽ちんだ。木の弾性もあるから上手に使えばかなり行ける。ピッチが上がってきた。

 
前にまさかの708さんの姿。

追いついて一緒に天子ヶ岳到着。今ちょっと読み返したら(文章では)相当に元気そうだけど、これはかっこつけだな。もっともっとあえいでいたよ。
 
上りはまだいいけど、下りは一気に大腿四頭筋が悲鳴をあげる。ゆっくりでしか下れない。天子山塊ではこの後、延々とアップダウンを繰り返していくのだ。そう、うんざりするほど。手前のエイド情報ではこの山塊を抜けるのに速い選手で4時間、普通の選手で8時間と。足が萎えつつある今の状態でいったい何時間かけて本栖湖エイドへ到着できるのだろうか。もう計算とかそういう頭は働くことを拒絶しつつあった。
アップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていくといういやらしい展開。

 

天子ヶ岳(1330)→長者ヶ岳(1335)→天狗岳(1373)→熊森山(1574)→雪見岳(1605)→金山(1596)→毛無山(1945)→雨ヶ岳(1771)と言った具合だ。


【ウッドストック使い】

ブナ林があったりアルプスが見えたりということらしいがちょっとガスって来て展望はよろしくない。涼しいのが救いだけど富士山だって木々の間からやっと。もっとバーンと登場かと思い込んでいた。かなりがっかり。
確か今地図を確認していると天狗岳の手前くらいだったのかな。10時に子どもの国をスタートしたSTY(ショートの部。ったって82km)のトップがやって来た。当然の如く宮原選手だ。予想外のストック使いだ。

 

気配におっ、と後方確認し、それから端によってバイクジャージの背中ポケットからカメラを取り出している間に横をすり抜け、スイッチを入れてシャッターを押した時はもうはるか遠く。
びっくりのスピード。息をしていない(かのよう)。足音もしない。とんでもない。間もなくの急登をストックを上手に使いながら、ひらりひらりとまるで蝶が舞うかのように駆け上って行ってしまった。しばし呆然。圧倒的な強さだ。
その後7分おきくらいに2位、3位。10番手くらいからようやく普通な感じの走りだ。こちとらぐったり感がみるみる増してきてどこかに座り込みたくてしかたない。
倒木に腰を下ろした途端、あ、ハリ天さん!ってビーノくんがかっ飛んでいった。その後もそげんさん、Diet Go Go!! さん、キャプテントットさんなどなど。いずれもウッドストックに、または大木に寄りすがった完璧に死に体の時に追い抜かれた。写真も撮ることすら出来なくなっていた。そうそうこっしーにもだった。

 
【熊の爪痕】

スピードもがくんと落ち、流石に冷え込んできた。夜も着ないでいたウインドブレーカーをついに着込む。毛無山への途中からはポツポツと雨も落ちてきた。

 

眼前に白く雲に先端を覆われたでかい毛無山が登場したけど、大変だよとか、なにくそだとか、とにかく心は別段動かない。黙って前に進むだけ。限りなく落ちた速度でも止まらない限り頂上はやって来て、1枚だけ写真。
 

ひでたろうさんがすぐ側にいて、やぁやぁと。腸脛靱帯をやられたとかで下りが大変そうだ。
 

ずっと後押ししてくれたウッドストックは頂上直下に置いてきた。助かったよ。
 

天子山塊最後の雨ヶ岳の下りでずっとずっと前に行かれていたHALさんに追いつく。後方から人に追いつくと少し元気が出るのは、きっとエネルギーを吸い取れるからだろう。ごっつぁんですって感じで下りは先へ。明るい内に何とか天子山塊から脱出成功。

さて、ずっとプログラムの高低図を見て走ってきたのだけど、雨ヶ岳を下ったらあとは100m登って100m下ってという感じで本栖湖エイド到着だ。そう信じ込んでいた。

 

ところが目の前にはドーンと大きな山がそびえ立っている。 ま、登っても途中でぐるりと巻くんだな。そんな認識。地図をしっかり確認してあれば竜ヶ岳を登ってガーンと下って初めてエイドということは一目瞭然なのだけど、こだわるようだけど高低図だけしかその時は見ていなかったのだ。おかしい、いつになったらつくんだ。え、え、え?ウソだろ。ウソだろ。もう思考力が激しく低下している頭がさらに混乱に混乱を重ねている。延々と竜ヶ岳を下る、下る、下る。400mくらい登ったあと500mほども下るのだ。
HALさんも再び追いついて来て、もう二人とも無言だ。ハリ天にいたってはプリプリと怒っている。しょうもない。

 

ようやく平らな下まで降りてもまだエイドではない。タッキーさん、サエキさん、agohigeさんが出迎えてくれた。どう?って聞かれて、もうやだぁ~!思わず叫んでしまったよ。
さらにあと500mで~すと、広い芝生?を走って走ってようやく本栖湖スポーツセンターに到着。暖かい拍手と歓声で迎えてもらっているのに怒ってる。ごめんなさいだ。ikeさんが手を振ってカメラを構えてくれているのに怒ってる。ごめんなさいだ。ハリマネが出迎えてくれ、ばぶぅやかなちゃんもいて、すごいよすごいよって言ってくれるが、まだ怒ってる。ごめんなさいだ。
 
外のベンチにとにかく座って一息。kojikenがやめていなくて山に入ったと聞いてビックリ仰天。さらに膝が痛くて走るどころではないはずのinoxさんも続いて山に突入したと聞いてひっくり返った。みんな半端ない。
ようやく当たり散らしていた怒りが収まってきた。腹が減っていたのだ。中にカレーがあるって。食べる食べる。
室内に入って鹿カレーの大盛りセット。辛くて美味い!もうむさぼり喰らう。足らんぞ。カッパ飯やナメコ汁もおかわりだ。ようやく落ち着いてきた。冷静さも戻ってきた。
 
naoさんもちょっと前に到着だと言うし、こっしーもカレー中。寝ていたというニシムラさんも来て一緒に喰らった。もう来年の出場はないよねぇってうなずき合う。そんな感じ。正直な心の内。レース自体は面白くてもコースが楽しくない。もう一度行ってみたいって思えない。本当にそう思ってしまっていたのだ。一生懸命にコース作りに励んで下さって方々、そして苦労に苦労を重ねて出来たコースに対して失礼を承知で本音を吐露してしまった。これ一度でいい。
【呆然と】



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ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (6)
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