ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

UTMFレポ_その5

2012年05月27日 | 大会レポート



【A9~A10・鳴沢氷穴】
13km/3:33:07(146位)23:47pm

たっぷりと腹ごしらえして約1時間の滞在。そしてまたまたこっしーと出発だ。 
ハリマネは寝ていけ寝ていけと勧めるけど、別に眠くないし、今までもこういうワンデイの長距離レースで眠くなったことはないし、ハリ天的には眠ってしまうともったいないのだ。寝てしまうと足の裏まで浮腫んで痛くなるっていうのが怖ろしいのだ。道ばたにひっくり返って足をブラブラはするかもしれないけど、ひとまず一気に行く。
ちょっと前に、ハリ天さんが休んでいるうちにって、やや挑発的にnaoさんが先に出発していたし、ひとまず追いついてやろう。
休憩の後は足も元気だ。適度な休息は確かにいい。2年前の富嶽周回で通った東海自然歩道を行く。あんまりガッツでは走れないけど、とぼとぼ歩きも時間がかかり過ぎるよなぁとこっしーとペースの探り合い。国道に出たところでどうやら前方にnaoさん発見。ゲッツ。以後3人旅。鳴沢氷穴エイド手前でハリマネが待っていてくれた。こんなペースだからゴールはいつになるのやら。
氷穴エイドでレッドブル飲んだら若いこっしーはいよいよ我慢できず先に行きますと力強い言葉。いいぞいいぞ、行ってくれ!

 

【A10~Finish・河口湖大池公園】14km/3:12:31(150位)2:59am

と言うことで、残りの道のりは今度は同世代のnaoさんと進むことになった。歩みは遅々として進まないがボイス絶好調。疲れ切っているのに今日の(すでに日付が変わってるけど)レースのことコースのこと、あれやこれや。ハリ天さん、今回のブログは困るでしょう。そうなんだよねぇ。なんだか書きようがない感じ。サラッと流して今回は終わりかなぁ。そんな印象。(この時はホントに)
後ろからライト。ピンクゼッケンのSTYの選手達はキチッと走って来る。即、道、譲る。ありがとうございま~すと抜いていく時、そっと我々の背中や肩に手を置いて、頑張って下さいと言ってくれる選手がいる。明らかにここまで延々と距離を稼いできたUTMFの選手達に対してリスペクトしてくれているのだ。暗闇で交わす一言が暖かい。
時間のことは一切頭の中から消えていた。
トレイルの分岐で誘導員の一人からあと7kmですよと声をかけられた。Garminの距離表示はその時ちょうど153kmを示していた。分かり易いな。それからはあと6km、5kmとハリ天のカウントダウン始まる。それにしても足が痛い。上りはいいが下りは地獄だ。二人ともよれよれだ。50台丸出しだ。いてて、いててと下る。急な下りはうまく止まれないので突撃隊だ。その代わりしばらくあえぐ。後ろからライトが見えたら、抜いてもらうまで早くから待つ。
なんてことを繰り返しながらもついに下の湖岸道路が見えてきた。短いつづら折れだ。
よし、ハリマネにもうじき道路に出るよと電話だ。電話を切って、ちょっとボタン操作をして、でも後ろから人が来ると迷惑だからと左の端によっていた。iPhoneを手にしたままちょっと目をそらしたその瞬間、左の足が沈んだ。危ない。転落だ。目の前に直径10cmほどの木が立っている。しがみつけ!だけどその前に・・・たぶん、回転していた。真っ逆さまってやつだ。景色がぐるりと回った。右足を引っかけ次の木にしがみついて止まった。ほんの僅かな時間、時が止まった。
大丈夫ですか!とnaoさんの声。そう、全然大丈夫だ。けど右手に持っていたはずのiPhoneがない。すかさず上から携帯はここにありますよと。被っていたサンバイザーが飛んでいたけどそれ以外は現状保持か。どこも怪我もなさそうだ。右足首の上を木で強打したようだけど別にたいしたことなさそう。naoさんが冷静に、びっくりしたけどそこは落ちても大丈夫そうですねと、そう冷静に。しかし、しかしだ。危ない危ない。場所が場所だったら・・・。そんな端には寄らないだろうけど最後の最後まで油断大敵を肝に銘じた一瞬だった。運はあった。

さぁ、気を取り直してロードランだ。走れる。あと4kmくらいとメールしたら、YAMAYAさんが逆走お出迎えランをしてくれるって。うわぁ、時計を見たら2時半前。ありがたい。カメラマンの翔くんも待っていてくれると。ありがたい。二人で普通に走れるようになった。前方に目をこらすがYAMAYAさんの姿は見えない。
う~ん、どうやら先ほど告げられた「あと7km」は間違いらしい。3時前ゴールは「楽勝確実」だったはずが「まぁ大丈夫」くらいに。この時点はまだ結構余裕しゃくしゃく。
湖岸の遊歩道が走路になっている。ちょっと距離感を読み違えているか。どうなのか、そこんところに頭が働かない。何だかなかなか近づかない。遊歩道が切れてしまい、あれ?あれ?おかしいな。一度道路に出てみよう。駐車場の裏か?さ、直近のTREKNAO・フォトロゲ清瀬5時間の部優勝者のnaoさん、ここで流石の方向指示だ。正規ルート復帰。スピードはぐんぐん上がっている。上げざるを得ない。さっき抜き去ったはずの女性がトボトボと前を行く。ガーン。
あと1kmちょっとで~すと誘導員に再び湖岸遊歩道へと案内される。あと何分?あと6分。いや5分。やばいぞやばいぞ。せっかくだから何としても忘れていた宣言タイム36時間を切りたい。naoさんが叫ぶ。ハリ天さんなら大丈夫!私はもうダメ。私のことは放っておいて先に行って下さい。何を言うかnaoさん。ここまでダブル直で来たんじゃないか。そんな弱気でどうする。いや、これ以上は・・・。あぁ~皆さんによろしく~。小文字のnaoも最後まで頑張ったと・・・なんて会話している暇なんてあるわけなくて、ひたすら走るのみだ。ダッシュだ。時刻表示にした時計を見る。秒数が見えないけどあと2分。
カーブを曲がってフィニッシュゲートが、出迎えの人達の姿が目に飛び込んできた。行けるぞ。制限時間ギリギリのビューティフルロゲのラスト風~。どうしてこうなってしまうのか。それはいつもいつも不明だし、100マイル走ってきて最後にこれはないだろうと頭のどこかでグワングワン叫んでいるけど、そんなこたぁどうでもいいのだ。走れ走れ走れ走れ走れ、走って走って走れ。
あと1分、大丈夫だ。もう一踏ん張りしてラストの直線に入る。トップ10入りしたYAMAYAさん達がビクトリーフェンス(そういうの?)で手を差し出して待ってくれている。

 

間に合った。勝手に自分で決めたゴールタイムにギリギリセーフだ。
naoさんと50台同士の可愛い手繋ぎゴール!
 

ぶっ倒れゴール!最後の最後にとんでもなく勝手に盛り上げてしまったゴール。 
なんかやたら爽快。初100マイルレースのゴールは午前2時59分46秒。150人目のフィニッシャーとなった瞬間だった。

ご機嫌だぜ。

緑風堂鍼灸院WEBSITE
ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする