ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

苦悶 OTK 2012

2012年05月02日 | 大会レポート



裏TTRからOTKへと名称変更して2年目、文句なしの快晴。鴨沢で最終バスに間に合うように各自でスタート時刻を決めたら後はひたすら西へ西へと都県境の山道を進む。
昨年はシーズン初トレランだったのにベストタイの10時間ジャストで走れた。が、今年は1週間前に112km走っているし、なんたって練習は質・量共に完全不足。記録狙いなどという気はさらさらない。先週はUTMFを想定して1時間毎に1~3分歩きを入れるという秘策を当てた。今回のOTKはその第2弾。山走りなのでロードとは条件が異なり歩きは必ず入ってしまう。そこで今回は1時間毎に座って休息を取る!出来れば足を高く上げブラブラさせて下腿でウロウロして戻りきれない血液をしっかりと戻す。どうかな。
スタートは一応標準時刻の6時。7人のスタートだ。
 
4時を皮切りに既に10名がスタート済み。アーリースタート組を追いかけ、6時15分以降スタートの6人からは逃げるという鬼ごっこだ。
 
ボイスモードで走り出すけど1時間できっちり座り込み開始。先週に引き続きどんな効果を感じるか、実験結果にワクワクなのだけどまだ青梅丘陵にいるうちから珍しき左膝痛が一気に登場してしまった。いきなりかなり痛い。最近こういう痛みを感じていなかったので凹む。序盤の序盤でこんなではと弱気の虫も顔出した。でも1時間半でストップじゃシャレにもならない。そうだ今日は100km走った後の60kmと思い込もうということでしっかりと思い込んだ。

高水山への上りではまだ前にUSさんとカンチさんの姿を見ていたけど、ちょうど高水山の頂上で2時間きっかり。しっかりベンチで足上げしていたらひとりぽっちになった。1分の休憩の後もやっぱり膝は痛い。膝というよりお皿の上(表面)なのでまぁ心配のないヤツだ。だから我慢。
 
岩茸石山から棒ノ嶺へと進むところで熊鈴の音が近づいて来た。さっそく15分後発のキャプテントットさんときよぴーさん、6時半発のそげんさんに被ゲッツされる。3人とも元気だ。ちょっと付いてみたが、いかんせん足は信じられない程のベタ重。バネのかけらもなし。筋肉ぺったんこ。膝痛がさらに上乗せされている。おさらばだ。

棒ノ嶺は一気に通過。この先は静かなトレイルが続く。ひっそりと1輪だけで咲き誇るかたくりの花が目を引く(一昨日のトップ写真がそれ)。初めてこのコースを走った2005年の第1回TTRの時のタイムと比べたら、ちっとも悪くはないのだけど、ここ数年のタイムで比較してみるとずいぶんゆっくり。目安としている日向沢ノ峰までには3度の急登がある。先行スタートのかずさんとshikaさんに追いついた。けど前に進む元気はなし。日向沢ノ峰と前半戦のピーク・蕎麦粒山の間、ここのトレイルは本当に気持ちいい。ちょうど5時間を迎えた所、足が高くなるように斜面でひっくり返った。3分の休息だ。頭の上を宿直明けで後からスタートのNumberさんが追い越していった。
 

蕎麦粒山を越えると途端に走れるコースとなる。大好きなブナの巨木も次々現れる。
 

ほぼ中間点ととらえている一杯水避難小屋まで膝は痛むがなんとか。水分補給はうまくいっているだろうか。一杯水避難小屋には千葉からわざわざ来てくれたサポートのKEROさんとひげちゃんのエイド。到着前からにぎやかな声が耳に届いている。果たしてさっそうと避難小屋前に到着してみると、そこはまさに砂漠のオアシスに集う仲間達という雰囲気。ひたすら楽しそうだ。


【砂漠の蜃気楼】

この中に入っていいのか。なんだと?みんなここでリタイア?せいごさんとchinさんを中心に大盛り上がり。大事をとってここでやめておいてもいいかと思っていたハリ天だったけど、なんかもっと行かねばって感じ。後ろ髪を引かれつつ、KEROさんから羊羹パワーバー(ただの羊羹だけど、ハリ天大の羊羹好き)とポリポリ柿ピーを袋でもらって再スタート。
ここからも稼ぎ所。しっかり走ればかなりタイム短縮が可能。


【絶景ポイント・ハナド岩で一応】

今回の大鬼・funachiくんに追いつかれ、一旦姿も見えなくなっていたけど、こつこつと頑張っていたら再び視界にfunachiくん。
酉谷避難小屋を過ぎ、やがて日原への境となる水松山分岐。2週間前には膝ほどまであった雪はあとかたもなし。北側にまわりこんだところで休息タイムをしっかりと。
しているうちにかずさん、shikaさん、Diet Go Go!! さんに追いつかれた。うわぁ、ここが最終だ。

Diet Go Go!! さんの後ろ姿を追いつつ、長沢背稜をすすむ。標高も上がり風が涼しいくらい。いったん下げていた高度を徐々に稼いでいく。正直言って今日はきつい。力が出ていない。せっかくの「秘策」第2弾だったけど、その効果を感じるもへったくもない様子だ。芋ノ木ドッケへ向け必死で急登をこなしていると頭上からハリ天さんもう少し!の声。女神?そう、去年に引き続きクリプトナイト夫妻のサプライズエイドだ。なんという絶妙な登場ぶりなんだ。
実は秘かにクリプトナイト夫妻エイドを期待していて、勝手に今年は水松山分岐付近じゃないかと踏んでいたのだ。しかし、その予想地点には影も形もなし。内心、相当にがっくりしつつ、仕方なく自らに鞭打っていた所だったのだ。
去年も舌鼓をうったフルーツだ、パイナップルだ。
 
たくさんあるし持ち帰るの重いからどんどん食べて。はい、どんどんいただきます。柴漬け、美味い!コーラ美味い!氷入りの冷たい水、生き返る!
スペシャルサンクスでした。

芋ノ木ドッケから雲取山荘(超にぎわい中)、そして雲取山。
 
時計とにらめっこになってきた。ハリマネと帰るから実は最終バスに間に合わなくたっていいのだけど、それじゃルール違反だ。とにかく最終バスに間に合うよう、それから閉会式にも滑り込まなきゃ。しばらく10時間台で走っていたから思いもよらなかったけど、制限時間との競走になってきた。1時間毎に座り込む「秘策第2弾」もカット。自分で定期的にやっていた雲取TTベストなら山頂から鴨沢バス停まで最速1時間で下れている。今日はその5割増しか、もっとか。正式コースでは七ツ石山を経由する。だけど今日はかなりきつい。上りで膝が曲がる時が痛みのピーク。無理は禁物と何としても間に合わせたいを合わせると、出てきた答えは七ツ石山をパスすること。
夕刻になったせいか、やけに鹿に出会い、その都度カメラを向けてお愛想。
 
時間の無駄遣いか。七ツ石をカットしたことで一気に楽になったけど、膝の痛みでスピードは上げられない。だけど左膝はなるべく屈曲させないで振り回すようにして走れば大丈夫だ。小袖の集落が見え、なんとか間に合いそうとわかったら本当に一安心。

最後の力を振り絞って走る。山からスッと抜け出た眼下にゴールの橋と大勢の仲間達が見える。
 
手を振る。この感じが何とも言えずいいんだなぁ。去年はちょっと速過ぎて見上げてもらえていなかった。今年はまだかまだかとみんなで待っていてくれた、そのさなかだったよう。
鴨沢バス停へ出て進路を右へ。ロードを走るには膝もたいして痛まない。
橋のたもとでNumberさんが出迎えて下さった。そして橋の向こうには大きく手を振るハリマネと大勢の仲間達。贅沢だな。
 
12時間と20分。ギリギリのお待たせゴール。ちゃんと走っていたのだけど、ホントきつかった。口を開くのもおっくうだった。足応え十分だった。
 

そして、この足応えは翌日の近来希に見る・・・に続いて行ったのだった。

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ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (8)
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