今日は開院当初からの患者さんTさんがみえた。
今日は左のここいらがちょっと痛いね。まったく、もうあっちもこっちもおかしくなったってしょうがないやねぇ。
いつもながら淡々とゆるゆるで、しかもかなり投げやりな雰囲気を漂わせる。
絶対良くなりた~いって感じはなく、でもお手入れもしておこうかねっていう程度。少しくらい悪くたってそんなのいいんだって感じの独特のゆるさ。そして、いわゆる絶対的ないいおばあちゃんというキャラからはちょっとはみ出している感じ。
何年か前にご主人をなくし、ご近所の同じくらいの年の友人も次々とこの世を去られ、寂しいもんだけどしょうがないと。
それでいて、来月にはとうとう90になっちゃうよ。って、全然見えないんですけど。80になっちゃうよって言われても、え~って驚く程だ。
定番のようだけど、実に本気でえ~って二人で驚くと、みんなそういうけど、社交辞令だと思ってるよぉ。
だけど今、高校野球がいいねぇ。あたしゃぁ、ああやって一生懸命なのを見るのが好きなんだ。いいよねぇ。あと、テレビじゃクイズ番組ね。よく聞こえなくても文字が出るからね。わかりやすい。それに結構当たるんだよねぇ。ヒヒヒ。
読売新聞の日曜版に出てるマスを埋めてく、ほらアレ・・・(クロスワードパズルだ)も毎週楽しみなんだよ。頭も使わなきゃダメだよね。そんなこと一日やってるから全然飽きるってこと知らないよ。
自分の若さを自慢するわけでもなく、やけに歳だからと卑屈にもならず。そう背伸びも屈みもしない。決して優等生的でない独特のゆるさを振り撒きつつ自然な風が吹いている。
なんだかやけに清々しく感じる風だった。文章で伝えるのはとっても難しいけど、これがいわゆるこだわりを捨てた達人の風なんだろなぁ。