ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

18thハセツネ(後編)

2010年10月12日 | 大会レポート

1012_inox もう三頭山か、やっと三頭山か・・・それが問題だ。いつもここでの感覚が後の走りを左右する。

三頭山はレースコース中の最高地点、しかもほぼ中間地点にあたるのだ。
おっ、もう三頭山かと感じた年はだいたいいい感じのタイムが出ている。逆にやっと三頭山かとため息つく時はその後も意気上がらない。
さぁ、どっち。ホントに自分に問いかけながらずるずると頂上通過。雨はほとんどやんでいる。標高1500mの風が心地よい。
先行されていた知人に追いついていくことで、なんとか、どうにかリズムが戻って来ていたけど、足に来ている疲労感はやっぱり正直なんだ。雨上がりの下りはスリリング。特にしっかりとこねられている泥土は予想以上のスリップをプレゼントしてくれる。その手には乗るか。こちとら履き古したロードレース用のナイキスパイダーだ。ほれ見たことかってわけにはいかんのだ。
・・・というわけで、慎重に慎重に下る。毎年、ここは結構団子になるのにずっと一人。鞘口峠からは再び上りが始まる。しかし月夜見の第2関門へもあとわずかだ。思いっきり水分補給が出来る。きつい上り坂だけど、きついとかつらいとか、そう言った苦難系の単語は忘れた振りをして登るのだ。今年はトライアスロン時代に愛用のウエストベルトにヘッドウォーズを縫い付けてもらった。上りはこれ1本。ぬかるみと下りでハンドライト投入。明るさにもメリハリをだ。こんなことでも結構、気分転換になるのだ。
いつもこの区間はこんな感じ。ハッと我に返るとよく走れている。いつの間にか姿が見えなくなっていたよっちマンにも追いついた。
いったん奥多摩周遊道路に出てから月夜見第2駐車場へ。慌てず呼吸を整えておく。
給水1.5リットルはすべて水でお願い。きれいに飲み切っていたハイドレーションに注いでもらう。止まらず即スタート。色々な補給等は歩きながら。長距離レースになればこそ貧乏性が顔を出し、とにかく1秒が惜しくなる。はるか前方の選手の明かりを見つめながらリズムよく走る。

最高地点の三頭山は過ぎたが、実はこの第2関門後の上りこそがいやらしいし、強敵だ。いくつもの偽ピーク。すぐに到着するような気がする御前山は意外に遠い。ここでもはるか上に見えるライトやずっと下から連なる明かりに意識を取られてはいけない。ひたすらスルーだ。終わりのない上り坂はないとかなんとかブツブツと。
そして、御前山を越えてしまえばかなり気が楽になる。新鮮な水分も体に巡って来始めた。大ダワまでガツンと下るが、途中に何度も何度も小さな上りが立ちはだかる。ここでも知らん顔をして考えない。辛いけど辛くないとひたすら自己暗示で欺しまくるのだ。そう、単純なヤツ程走れるぞ。
やがて、鞍部の大ダワ到着。リタイア選手用の温かい飲み物が用意されているけど、見ないように素早く通過するのだ。雲助さん、かおちゃん、prontoさんご夫妻の熱い声援を受ける。元気出るな。勢いつけて山道再突入の寸前、ハリ天さんハリ天さんとダウンを来たリキちゃんが目の前に。何だ何だ?何でこんなところにいるんだいって。早々にリタイアしてしまったと元気ない。元気ないけどさっそくトップ情報とかを注入してくれた。

ここからは稼ぎ所、走れる区間がかなりある。が、ちょっとへたれ気味。こんな時、誰でもいいから併走出来たりすると勢いが蘇るんだけど・・・。
後ろから来る選手は自分よりうんと元気。追いつく選手はへたっている。うまく行かない。
走れるから走っているのだけど、毎年思うのだけど、何で毎回毎回こんなきついことを楽しい楽しいってやっているんだろ。
やがて大岳山への急登。ガツンと立ちはだかるが距離は大したことないのだ。一瞬ハムストがぴくついたがセーフ。そういや今日はケイレンゼロ。実力に見合ったペースってことだな、と安心したりがっかりしたり。
大岳山頂上ではスタッフの大リーガーさんの出迎え。「アニキ~、ガンバレ~」に後押しされて一気下り。・・・はせず、ここの岩場も慎重に。ケイレンは来ていないが、へんな踏ん張りは禁物なのだ。
もうちょっとの我慢。滑りそうな岩場を通過してからは御岳の水場目指して滑走。
水場で塩だらけの顔を何度も洗い、足を冷やし、ボトルで水をがぶ飲み。とにかく気持ちよく、美味い!
さて、フレッシュになって目指すは第3関門。あの女将さん達が待ち受けてくれている。今年はチビちゃん人形に加え、女将特製「女将の手」をいただいていた。inox-packにくっついてパタパタと背中を叩き続けてくれていたのだ。
ちょっと勢いが足りなかったかもしれないが、一応元気に到着。女将さんとはハイタッチでしっかりパワーを吸収。暗くてよく分からなかったけど、大勢の人達から大声援、大コールをいただいた。
その声を背中に受けると、確かに止まろうとしても体がグッと、少し、前に前に・・・。

御嶽神社下の大鳥居からの夜景も素晴らしい。お土産やが並ぶ通りでは恒例のイケさんの撮影タイムだ。
応援の声が積み重なって、その勢いで日の出山まで一気だ。きつくて辛くてしょっちゅう歩きたくなるけど、気持ちは一気だ。なんとか奮い立て、自分。
その日の出山。雨上がりの東京方面は見事な光の海。ブラボー。カメラはないけど瞳シャッター!

いよいよ、最後の10km。直下の激下りでは前の選手が滑って大変そう。ハリ天のシューズは危なそうだけど大丈夫。突っ込まず、でも腰は引かず、重心だけ気をつけて慎重に下る。
走れるトレイル突入でスイッチもオン。すぐに追いついた一人の選手があれっと。そう言えばちょっと前に抜かれた選手だ。あれあれ、かのUSさんだ。浅間峠の先で先行させてもらっていたが、追いつかれていたのだ。腸脛靱帯炎で下りがきついと。でもね、レース中だし、どうしようもないから・・・思いっきりかっ飛んで振り切らせてもらうことにした。滅多にないチャンスだし。カンチさんとの同級生対決に続き、ここもいただきだい。この日、一番のスピード全開。去年よりは早くゴール出来そうだけど、去年よりうんと走れていない後半だな・・・そう、ちょっと自嘲気味の終盤だったのが、一気に目が覚めた。突然スパイス投入で味付けが一変したのだ。一振りの調味料がいい味を生み出してくれるいい例だ。
次々と選手をパス。その中には何人か知人もいたようだけど集中していて気づかなかった。
ラスト5kmあたりで3~4人でリズムよく走っていた小集団に追いついたところで何か満足。全開だったスイッチを絞ってしまった。後で考えたらこれがもったいなかったなぁ。
残り2kmを切ったところでハリマネに電話。だが、うまく通じない。iPhoneの調子がおかしいのか電波状態が悪いのか。何度も立ち止まって電源オンオフ繰り返す。やっと通じた。
前後に選手は見えない。落ち着いて最後はしっかり走ってゴール。11時間35分。1012_goal
目指していた高みからはほど遠いタイムだけど、夏以降の自分の走りを振りかえれば、まぁ上出来と褒めてやろうじゃないか。

1012_hasetuneダメだダメだと責めるだけじゃヤル気の芽まで摘んでしまうしな。自分の現状から目をそらしてはいかんのだけど、だからこその正しい評価と検証だぁ。お祭り終了。
1012_hehe 【同じく冴えなかったTWさんと反省2ショット】

緑風堂鍼灸院WEBSITE
ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (40)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする