JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

芋好きはだれ?

2005年09月07日 | a-c

収穫の秋、学生時代に「収穫祭」なるものに参加した憶えがあります。ばかでかい鍋にいろんなものを突っ込んで作った闇鍋みたいなもの、うまかったなぁ
たき火を囲んで食べる、飲む、歌う、踊る、一晩中やってました。
それにしても、収穫を前に台風の被害を受けた生産者の心痛はいかばかりのものでしょうか、お見舞い申し上げます。

秋は、やっぱり食べ物が美味しいんですよね。
先日、ちょっとご紹介した「江戸小咄集」にこんな話が載っていました。

「芋好」
壱軒の女郎屋にて、女郎一四五人芋好きゆえ、毎日芋を買って喰ひ、とかく客の座敷で屁をひって成らず。客もあいそをつかしてだんだん少なくなれば、是では済まぬ事と、二階中の女郎へ芋を喰ふなと内所から伝いわたし、若ひ者は二階をおりおり廻り、客のある女郎の部屋の口口にて、「屁の用心さっしゃりませう」

昔からオナラと芋とは、切っても切れないものらしいですが
古典落語にも「芋俵」なんていう、オナラが落ちで出てくる噺もありました。
芋好きというとどうして男性より女性ということになるのでしょうか?
うまい芋は、女性でも男性でも好きだと思うんですがね、オナラはいただけませんけど。

ともかく、いやな台風もありますけど、秋はうまいものを食べて、うまいお酒を飲んで、夏やせを知らない私にとっては気を付けなければいけない季節ですが、
生産者の方々や、船上で頑張っていらっしゃる方々、全ての皆さんに感謝をして、一箸一箸楽しませていただきましょう。

さて、今日の一枚は、そんな話とは全く無関係なアルバムですが、悲哀に満ちたアルトを、秋の夜長に聴くのも一興ではないでしょうか、1977年11月、数日後の日本公演を前にソニー・クリスは拳銃で自らの命を絶ちました。自己から来る強烈な想いに押しつぶされたのでしょうか?
ソウルフルでありながら悲しさを感じさせる彼のアルトと、いろんな意味で同じような感覚のあるソニー・クラーク、ベスト・マッチだと思います。

GO MAN ! / SONNY CRISS
1956年2月24日録音
SONNY CRISS(as) SONNY CLARK(p) LERDY VINNEGAR(b) LAWRENCE MARABLE(ds)
1.SUMMERTIME
2.MEMORIES OF YOU
3.WAILIN' WITH JOE
4.HOW DEEP IS THE OCEAN
5.THE BLUES FOR ROSE
6.THE MAN I LOVE
7.UNTIL THE REAL THINGS COME ALONG
8.BLUE PRELUDE
9.AFTER YOU'VE GONE
10.COME RAIN OR COME SHINE
11.HOW HIGH THE MOON
12.IF I HAD YOU

反省してもやめられない

2005年09月06日 | a-c

「喫煙は、あなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます。」
「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。」
「妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります。」
・・・・・・・・・・
タバコのパッケージに書かれているメッセージです。

時効でしょうから暴露しますが、私は中学時代からの喫煙者です。
7年ほど前までは、ハイライト一筋、浮気もせずに日に20本のペースを守ってきました。ハイライトを販売する自販機がめっきり減り、現在は、ピース・ライトを吸っています。

3,4年前のことになりますが、友人の奥様に
「あなたも、バブさんもそろそろタバコやめれば、体に悪いんだから」
もちろん酒を飲んでいての話ですが
「悪いのはわかってんだけどねぇ、仮にタバコのせいで5年早死にするとして、85で死ぬのも80で死ぬのも大して変わりないでしょ、だったら好きなタバコを吸って5年寿命を縮めたほうがいいもん」
「そうだよな、嫁さんより付き合い長いし」

ここで奥様が言われた言葉、ズシンっときました。
「タバコを吸う人は、みんなそう、そうやって自分の事しか考えないんだよね、タバコを吸って周りに迷惑かけているのもわからないし、5年早死にしても良いって、自分はよくても悲しむのは周りの人よ、少しは考えなさい!!」
「ハイ....」

この日を境にきっぱりとタバコをやめたという話ならカッコいいんですが、いまだに友人も私も愛煙家のままです。(お恥ずかしい)
それでも、喫煙時は、周囲の方に迷惑をかけないよう注意はしているつもりです。

先日観た映画「コンスタンチン」でも、主人公がヘビー・スモーカーで、肺がボロボロになっていましたけど、私の肺もボロボロでしょうか?

「周りのみなさんごめんなさい、今、タバコと酒を取り上げられたら、私は生きていけません。許して下さい。」

ジャズ・メンもヘビー・スモーカーは多いようですけど、ジャケットにもタバコをくゆらせているポーズがよく使われています。以前紹介したデクスター・ゴードンの「アワ・マン・イン・パリ」や、マルの「アフター・アワーズ」、マイルスの「イン・ベルリン」もそうですよね。
ゴードンはマルボロ、マルはメンソールのタバコ、マイルスはキャメルだったらしいですが、ウォルター・ビショップ・ジュニアは、何を吸っていたのでしょうか?

「スピーク・ロー」は、有名な曲ばかり集めたアルバムですが、派手さのないブルース感覚が魅力的なピアノ・トリオ演奏です。これもまたお勧めの一枚です。

SPEAK LOW / WALTER BISHOP Jr.
WALTER BISHOP Jr.(p) JIMMY GARRISON(b) G.T.HOGAN(ds)
1.SOMETIMES I'M HAPPY
2.BLUES IN THE CLOSET
3.GREEN DOLPHIN STREET
4.ALONE TOGETHER
5.MILESTONES
6.SPEAK LOW

完熟トマトと緑の髪

2005年09月04日 | d-f

北朝鮮の美女応援団が何かと話題ですが、ナチュラルな化粧と黒い自然な髪、そんなところが魅力であるなんていう報道もあります。

昨日、知り合いからもぎたてのトマトをいただきました。これがとんでもなくうまい、取ってから完熟させたものとは、明らかに違います。
「甘っくって、すっぱくて、どこか青臭くて.......う~んなんかとっても、なつかしい味」
何となくですけど、子供の頃食べたトマトは、みんなこんな味だったような気がします。

そうそう、女性の髪の色も子供の頃は今とは違っていたような。
「緑の黒髪」これが最大のほめ言葉であり、同時に誰もがなりたい髪の色だったのでしょう。

さて、黒い髪が何故緑なのか?
緑という言葉は、もともとが「枝先の新芽」という意味で、その新芽がグリーンだったから色の名前になったのだそうで、元気のよい赤ん坊を「みどり子」と呼ぶのも、松の新芽を「松の緑」というのも、すべてここからきているとか。
つまり、「緑の黒髪」とは、「新芽のようにつやつやした元気な髪」という意味になります。

「ナチュラルでつやつやした元気な黒髪が美しい」日本人女性の大部分が、いや男性だってずいぶん昔に捨ててきた美意識かもしれません。
韓国でもその傾向は同じらしく、この美女応援団に「昔懐かしいトマト」を思い起こさせられたのでしょうか、若い男性達が、まるで「ヨン様」にむらがる日本のおばさまのように大騒ぎしています。

品種改良したさまざまな味のトマト、これもまた魅力あるものですが、昔ながらの懐かしいトマトもまた魅力です。女性だけでなく男性も、以前どこかに忘れてきた「男性の魅力」を顧みるのもまた一考であるのかもしれません。

今日は、エリック・ドルフィーです、そうブッカー・リトルとの双頭コンボ。
おさかなさんのブログでニューヨークのジャズ・クラブを紹介されていましたが、ジャズ・クラブの魅力もまた以前とは違ってきているのでしょうか?
ファイブ・スポットでの、彼らの演奏を、私はその場でぜひ聴いてみたかった、今となってはかなわぬ事ですが、
エリック・ドルフィーとブッカー・リトル、何故もっと長生きをしてくれなかったのでしょうね。トマトは、また育てることも可能かもしれませんが、彼らは2度と戻ってこないのですから。

ERIC DOLPHY AT THE FIVE SPOT, VOL.1
1961年7月16日
ERIC DOLPHY(as,bcl) BOOKER LITTLE(tp) MAL WALDRON(p) RICHARD DAVIS(b) ED BLACKWELL(ds)
1.FIRE WALTZ
2.BEE VAMP
3.THE PROPHET

自宅上映

2005年09月03日 | m-o

若干お疲れ気味の私、
今日は、ゆっくり映画にひたろうと、レンタル屋さんに出かけました。
「さて、何を観ようかなぁ」
思えばレンタルもビデオであれば背表紙がとても見やすい、ところがDVDがづらっと並んでいると、背表紙で探すのが何故か面倒に思えてきてしまいます。

ところで、同じ映画を何度も観たということはよくありますよね、それじゃあ一番回数を観た映画はなんでしょうか?私の場合は、おそらく「ひまわり」だと思います。
そもそも、マルチェロ・マストロヤンニもソフィア・ローレンも、それほど「だーい好き」という役者さんではありませんでしたが、「ひまわり」は別です。

旦那を捜しに行ったソフィア・ローレンが、やっと居所をつきとめ、ロシアの妻に事情を聞き出します。
「もうすぐいつもの列車で帰ってきます」
二人は、ホームで旦那の乗った列車を待っていますが、列車が入ってくる姿を見ていたソフィア・ローレンは、おもわずその場から逃げ去ります。彼に会わずに国に帰っていく、涙いっぱいのソフィア・ローレン。

クゥー!!また観たくなってきました。

「「ひまわり」借りていこうかなぁ」
「1人でしか観ないのは、やめてよね」
「ハイ」

結局、1本だけ戻ってきていた「コンスタンチン」と「プリティ・プリンセス2」を借り、上映会とあいなりました。
まぁ、「プリティ・プリンセス2」のアン・ハサウェイは可愛かったし、「コンスタンチン」もそこそこ楽しめたから良しとしよう。

それでも、1人でゆっくり観られる日に「ひまわり」借りてこようと心に決めた1日でした。

さて、夜だけは自由な時間にさせていただきます。
モンクは、以前にもお話ししましたが、ソロでこそ彼が一番彼らしいように私は思っています。リバーサイド時代最後のこのアルバムも「う~~んモンク」って感じの一枚です。モンクのソロを聴いていると、なんとも愛おしさを感じてしまう私でした。

THELONIOUS ALONE IN SAN FRANCISCO / THELONIOUS MONK
1959年10月21日22日
THELONIOUS MONK(p)
1.BLUE MONK
2.RUBY,MY DEAR
3.ROUND LIGHTS
4.EVERYTHING HAPPENS TO ME
5.YOU TOOK THE WORDS RIGHT OUT OF MY HEART
6.BLUEHAWK
7.PANNONICA
8.REMEMBER
9.THERE'S DANGER IN YOUR EYES, CHERIE
10.REFLECTIONS

名より味

2005年09月02日 | m-o

今日は、金曜日だというのに自宅におります。
つい先ほど帰ってきたばかりですが、めずらしく仕事などをしてこの時間になってしまいました。
はて?金曜日に外で飲んでいないのは、どれくらいぶりでしょうか?
ということで、今、自宅で"フォア・ローゼス"を飲み始めたところです。

ローゼスと言えば、名前の由来がいろいろありますけど、どれが本当の由来なのでしょうか。

"フォア・ローゼス"は、ケンタッキーのポール・ジョーンズ親子が、作り出したバーボン・ウイスキーですが、その息子の方がかねてより恋いこがれていた女性に思いを打ち明け、結婚を申し込んだそうです。

「おらぁよ、おめえ様みてぇな、べっぴんさんには今まで一度もあったことねぇ、うんや、これからもけっしてあわねぇと思うだ。おねげぇだぁ結婚してくんろ」
「わがった、んだば今度のダンスパーテイのとき、胸に四輪の薔薇ばおっつけてきたら、結婚ばしてもいいって合図だぁ」

ダンスパーティー当日、ハラハラして待つジョーンズの前に現れた彼女の胸には、約束の薔薇が美しく輝いていたそうな。

晴れて式を挙げてから数年後、とびきりうまいウイスキーが出来上がりました。するとジョーンズは、この薔薇を酒の名前にしたのでありました。

なかなか、いい話ですけど、とある学者が文句を言い出しました。
「このウイスキーの名は、ローズ家の四人の娘にちなんでつけられたものである。」
すると今度は、別のローズ家から
「何を言う!その名は、我がローズ家に由来するものだ!」
たかだか一本のバーボンの名前で「ローズ家戦争」が、勃発したそうです。

まぁ、ジョーンズ親子もいない今、真相は全くわかりませんが、美味しい酒なら名前の由来なんてどうでもいいっちゃどうでもいい話なんですけどね。

戦後、バーボンが日本に入ってきた頃は、みなさんハイボールで頂いていたそうですけど、今日私は、ストレートで頂いております、べっぴんさんの胸に輝く薔薇を思いながら。

ちょっとお疲れ気味なので、元気が出るようなラテンっぽいのでいってみますか。

HERBIE MANN AT THE VILLAGE GATE
1961年12月録音
HERBIE MANN(fl) HAGOOD HARDY(vib) AHMAD ABDUL-MALIK(b) RAY MANTILLA(perc) CHIEF BEY(perc) RUDY COLLINS(ds)
1.COMIN' HOME BABY
2.SUMMERTIME
3.IT AIN'T NECESS ARILY SO

にっぽん晴れ!

2005年09月01日 | v-x

いよいよ今日から9月、私の大好きな秋がやってきます。
何故秋が好きかって....それは花粉症がないから
秋に花粉症が出る方もたくさんいますが、私は大丈夫。
すがすがしい空気を朝から思いっきり楽しめる、秋は最高だぁ

抜けるような晴天「最上の晴天」を「秋晴れ」といい、ぞくに「日本晴れ」と言いますが(「日本晴れ」は秋と限った表現ではないけど)
この「日本」って、どうして日本なんだろう?

じつは、江戸時代のはやり言葉からきているらしいのです。
「よっ、にっぽんいち!」から
どうも「にっぽん」という言葉が、「りっぱ!」とか「最上!」といった意味で使われ始め、たとえば
「なんだねぇ、えっ、こいつぅぁ”にっぽん”だねぇ」
てな感じで使われたらしいのです。
だから「日本晴れ」は、まさに「最上の晴れ」という意味、
けして「にほんばれ」と言ってはいけません、「にっぽんばれ」です。

「日本晴れ」の下で、美味しいものを食べながら、一杯キュッと、いいですね。
間もなく我が田舎では、美味しいサンマがいただける季節になります。
刺身になめろう、サンガ焼き、もちろん塩焼きも、うまいですよう。

9月と言えば「セプテンバー・ソング」でしょうか
そして一番に頭に浮かんできてしまうのが、このアルバム
いかにボーカルに対する知識が薄いかですけど、ともかく名盤です。
いつもは、A面ばかり聴いてしまうこのアルバムですが、「セプテンバー・ソング」もなかなかのものですよね。
ブラウニー他、豪華伴奏陣がキュッとしめちゃってます。
「エイプリル・イン・パリ」が入っているのはご愛敬と言うことで

SARAH VAUGHAN WITH CLIFFORD BROWN
1954年12月16日18日録音
SARAH VAUGHAN(vo) CLIFFORD BROWN(tp) HERBIE MANN(fl) PAUL QUINICHETTE(ts) JIMMY JONES(p) JOE BENJAMIN(b) ROY HAYNES(ds) ERNIE WILKINS(arr,cond)
1.LULLABY OF BIRDLAND
2.APRIL IN PARIS
3.HE'S MY GUY
4.JIM
5.YOU'RE NOT THE KIND
6.EMBRACEABLE YOU
7.I'M GLAD THERE IS YOU
8.SEPTEMBER SONG
9.IT'S CRAZY