JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

らしい音

2005年06月20日 | s-u

楽器というものは、不思議なもので
同じ楽器で、同じ譜面を、同じ大きさで演奏すれば、すべて、同じ演奏になっても良いようなものだけど、けっしてそうはなりません。
もちろん、同じ人が演奏をしても、演奏のたびに微妙に違ってもきますし、
「いかにも、○○っぽいよね」とか、「○○らしいなあ」とか
ポッと音が出るだけで、演奏者がだれかわかってしまうほど、個性的なプレーヤーも多くいます。

そんななかで、私にとってとても不思議なプレーヤーが一人います。
それは、スタンリー・タレンタインです。
なぜ不思議かって?
私は、彼の演奏をそれほど多く聴いていないのに(特にCTIでのフュージョン系のアルバムは、ほとんど聴いていない)
それこそ、ポッと音を聞くだけで、「タレンタイン?」と感じてしまうのです。
聞き込んでもいないのに、どうしてこうもあっさり彼だとわかってしまうのでしょうか。

図太くて、ブローがかって、ソウルフルで、それでいて重く感じない。
ホーキンスとも違うし、ロリンズでも、ゴードンでもない
ましてやコルトレーンなんかとは、まったく違う。(敬愛するコルトレーンをなんか呼ばわりはひどいけど)
ものの本によれば、テキサス・テナー派などと書いてあるものもあるけれど(テキサス・テナー派ってどんな派?他に誰がいるのだろう?)なんのこったかちっともわかりません。

ブルーノート時代の彼の音に、ひょっとして私は、一番テナー・サックスらしい音を感じているのかも知れません。

レス・マッキャンとの共演盤「ザッツ・ホエア・イッツ・アット」なんか聴くと、
「ア~、タレンタインだ」と、何ともいえない心地よさを感じるのです。

シャーリー・スコットとの結婚をへて、彼は、フュージョンのスターとなっていきました。

THAT'S WHERE IT'S AT / STANLEY TURRENTINE
1962年1月2日録音
STANLEY TURRENTINE(ts) LES McCANN(p) HERBIE LEWIS(b) OTIS FINCH(ds)
1.SMILE, STACEY
2.SOFT PEDAL BLUES
3.PIA
4.WE'LL SEE YAW'LL AFTER WHILE, YA HEAH
5.DORENE DON'T CRY, I
6.LIGHT BLUE