JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

お幸せに。

2009年01月21日 | m-o

あまり寒さを感じないままに『大寒』を迎え、ニュースはオバマ新大統領一色。若い、しかも初の黒人大統領は、世界のリーダーとして今後どんな活躍をしてくれるのか、他国の大統領なのに自国の首相以上に期待してしまう自分が情けないっちゃありゃしません。

今月の7日、タレントのはしのえみさんがご結婚されたとのニュースが流れました。
芸能ニュースにはほとんど気にも止めない私も、このニュースには興味があるのでありまして・・・・
というのは、ずいぶん前にこのブログでもお話しさせていただいたことがあるのですが、彼女が欽ちゃん劇団で活躍していた頃に1ヵ月ほど仕事をご一緒させていただいたことがありましてね。(もちろん私がステージでなんかしたわけじゃありませんよ。笑)

はしのさんも当時はまだ二十歳前、セーラー・ムーンのコントなんかで大いに会場を笑わせてくれる笑顔の素敵なお嬢さんでした。
しかし、こと仕事に対する姿勢は二十歳前のお嬢さんとは思えぬほど真剣で、大将こと萩本欽一さんの厳しい教えのもと、大きな夢に向かって毎日いろんな涙を流しながら頑張っておられるのだろうと、容易に想像できる苦労人でもありました。(はしのさんだけでなく、欽劇の方々はどなたも人間味があって努力家で魅力的な方ばかりでしたが・・・・)

以来、あちらさんは私のことなどとうにお忘れでしょうけど、萩本欽一さんはもとより、その時ご一緒させていただいた「テイク2」「あさりど」そしてはしのえみさんをTVなどで見かけるたびに「頑張ってるなぁ、嬉しいなぁ」と一人勝手に声援をおくっていました。

そんな彼女も30代半ば、適齢期を過ぎようかというときに結婚のニュースでしょ、これも勝手ながらとても嬉しいんです。
若くから東京へ出てきて、あれだけ頑張って、今の人気を手にして・・・・・ほんと幸せになって欲しいなぁ

遅ればせながら一ファンとして
「ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに」


これはその時大将からいただいた本と裏表紙に書いていただいたサインです。
「夢をもって、何かに立ち向かっている大人に対して、
若い人は、必ず応えてくれるものだと、僕は信じています。
大人が、夢を失ってしまっている時代に育つ若者は、可哀そうです。」
この本の中の一節です。

さて、今日の一枚は、今月5日が命日であったチャーリー・ミンガスです。

1957年、ブラウン判決(連邦最高裁判所による「公立学校における人種の分離は違憲」)に基づく人種共学への取り組みはアーカンソー州でも計画され、リトルロック・セントラル高校というごく普通の子供たちが通う学校から始まることになります。黒人専門で伝統のあるホラス・マン・スクールという高校から9人の生徒たちが選ばれ、セントラル高校へ転入することになったのです。
ところが、彼らの入学を阻止しようと考えた人種差別を容認派のフォーバス知事は、9人が入学する日に人種差別主義者による暴動が起きるというニセ情報を流し、その鎮圧のためと称して州兵を出動させ学校を封鎖しました。州兵達は、本来の目的であるべき人種差別主義者による暴動などには目もくれず、白人学生は中へ通すものの、黒人の入学生が中に入ることを阻止したのです。
一人の黒人女子入学生は、あわや集まった白人群衆にリンチを受けそうになります。助けに入ったニューヨーク・タイムズの記者は、少女にこう告げました。
「連中に泣き顔を見せてはだめだ!」

この事件も、それまでであれば、良くある田舎の良くある事件と片付けられたかもしれません。ところが、始まったばかりの全国ネットのTVがこの様子を全米、全世界へと報道したのです。これは大変な反響を生みました。
ところが、世論などお構いなしのフォーバス知事、「周りが騒いでいるだけで、アーカンソー州のほとんどの人(白人)は私と同じ考えだからね、そんなん無視、無視」てなもんです。

しかし、アメリカ大統領となると立場が違うわけで、時の大統領アイゼンハワーは世論に押されるかたちでフォーバス知事に改善を求めます。
「へいへい、大統領がおっしゃるならしかたありやせんわ、ようござんす、なんとかしまひょ」
ところがところがです。返事は良かったもののいっこうに改善する様子もない。
「あのバカタレが、俺の顔に泥を塗りゃがって!」
怒ったアイゼンハワーは、アメリカ最強の精鋭部隊、第101空挺師団をリトルロックに出動させ、黒人生徒たちを待ち受ける白人暴徒をあっという間に追い散らし、さらには9人の生徒たちを学校まで送迎したのです。

あ~話が長くなってしまいました。これが世に言う『リトルロック暴動』のあらましでありまして、これを曲にしたのが「ORIGINAL FAUBUS FABLES(フォーバス知事の寓話)」なんであります。

初の黒人アメリカ大統領誕生の日に聴くには、ピッタリの曲じゃありませんか?
もちろんそれだけじゃありません。メンバーをみれば演奏の良さも想像がつこうってもんです。

CHARLES MINGUS PRESENTS CHARLES MINGUS / CHARLES MINGUS
1960年10月20日録音
CHARLES MINGUS(b) ERIC DOLPHY(as) TED CURSON(tp)DANNY RICHMOND(ds)

1.FOLK FORMS NO. 1
2.ORIGINAL FAUBUS FABLES
3.WHAT LOVE
4.ALL THE THINGS YOU COULD BE BY NOW IF SIGMUND FREUD'S WIFE WAS YOUR MOTHER